本記事にはプロモーション(広告)が含まれています
ニューバランスの棚の前に立つと、574、996、327、530、1906R、2002R、990v6と数字が並んでいて、どれも似たようなグレーで、値札だけが12,980円から36,300円までばらついている。「結局どれを買えばいいのか」で足が止まる人は多く、むしろ止まらない人のほうが珍しいくらいです。
先に結論を言ってしまうと、ニューバランスは「用途」「足幅」「予算」の3つを決めた時点で、候補は2〜3足まで自動的に絞れます。数字の意味を全部覚える必要はありません。500番台は丸い、900番台は本格派、1000番台・2000番台はソールに金がかかっている。この大枠さえ押さえれば、あとは自分の足の幅と、1日にどれだけ歩くかで決まります。
この記事では、日本の公式ニュースリリースと大手販売店で確認できた現行7モデルの価格・ワイズ・ソール構造を並べたうえで、「あなたならこれ」と言い切れるところまで落とし込みます。サイズ選びでつまずきやすいポイントと、買ったあとに後悔しやすい素材の話まで入れています。
・現行7モデルの価格・ワイズ・ソール構造を一覧で比較
・996と574、最初の1足はどちらを選ぶべきかの判断基準
・足幅が広い人・長時間歩く人それぞれの最短ルート
・ネット購入でサイズを外さないための手順と、買う前に知っておきたい素材の弱点
ニューバランス買うならどれ?答えは「用途・足幅・予算」の3つで決まる

迷いの正体は品番の多さ。まず3つの系統に分けると視界が開ける
ニューバランスで迷う原因は、モデルの優劣がわからないことではなく、品番が多すぎて比較の土俵に乗らないことです。売り場に並ぶライフスタイルモデルは、ざっくり3系統に分けられます。500番台(574・530)はオフロードシューズ由来の丸いフォルム、900番台(996・990v6)はランニング由来のシャープな系譜、1000番台以降(1906R・2002R)は2000年代のハイスペックソールを積んだ厚みのあるグループです。
この分け方が使えるのは、系統ごとにソール構造が違うからです。たとえば574はかかとにENCAPを積み、996はC-CAP採用の2層構造ミッドソール、1906RはN ERGYとABZORBを組み合わせたソールユニットを使っています。つまり「見た目が好み」で選んだつもりでも、系統を選んだ時点で履き心地の方向性まで決まっているわけです。
使い分けの目安はシンプルで、通勤や買い物など1日数千歩なら500番台か996で足ります。旅行や立ち仕事のように歩数が伸びる日が多いなら1000番台以降。デメリットもはっきりしていて、厚いソールのモデルは重量が増え、細身のパンツだと足元だけが主張しがちです。系統を先に決めてから色を見に行くと、売り場での判断がぐっと速くなります。
街履き中心なら、選ぶべきは500番台か996のどちらか
街履きが8割を占めるなら、574(ML574)かCM996のどちらかで話は終わります。理由は価格とサイズ展開の素直さです。CM996V2は16,940円、ML574は実勢13,970円前後(時期により変動)で、どちらもワイズはDが基本。カラーの選択肢が多く、在庫が切れても次のシーズンにまた出てくるので、買い直しがしやすいのも実用的です。
この2足が街履きに向くのは、ソールの厚みが控えめでパンツの裾に干渉しにくいからです。574は576のDNAを引き継いだ丸みのあるフォルム、996は1988年の996を復刻したシャープなシルエット。どちらもスラックスからデニムまで合わせられる守備範囲を持っています。
注意点として、この2足は長距離歩行に最適化されたモデルではありません。アスファルトの上を1日2万歩というような使い方だと、1906Rや2002Rのほうが後半の疲れ方が違ってきます。また574も996もスエードを使ったカラーが主力なので、雨の日用としては割り切りが必要です。
ワイズ(ウイズ)=足囲のサイズ規格のこと。ニューバランスは足長を0.5cm刻みで展開しつつ、ワイズをやや細いB・Dから超ワイドな4E・6E(G)まで用意しており、足長とワイズの組み合わせでフィット性を選ぶ設計になっています。同じ27.0cmでもDと4Eでは中の広さが別物です。
1日中歩く日が多いなら、ソールに投資したモデルを選ぶ
歩数が伸びる使い方をするなら、1906Rか2002Rを候補に入れてください。この2つはどちらもN ERGYとABZORBを組み合わせたソールユニットを採用していて、2002RはランニングシューズのM860と同様のソールユニットを載せたモデルとして復刻された経緯があります。街履き用の500番台とは、そもそも設計の出発点が違います。
根拠になるのは構造の話です。1906RはTPU素材のスタビリティウェブでアーチを補強しており、足の中央がねじれる動きを抑えます。長時間歩いたあとの疲れ方は、クッションの柔らかさだけでなく、こうしたブレの抑え方でも変わってきます。価格は1906Rが22,000円、2002Rが19,800円と、574や996より上の価格帯です。
妥協点は重さとボリュームです。どちらもソールユニットが厚く、アッパーも重ねが多いぶん、軽快さでは574に譲ります。細身のパンツを履く人だと足元が重く見えることもあるので、店頭で全身が映る鏡まで下がって確認するのが確実です。
足幅が広い人は、そもそも選べるモデルが限られている
足幅が広い人にとって、ニューバランス選びは「デザインで選ぶ」より前に「ワイズがあるか」の話になります。というのも、CM996も1906Rも2002RもワイズはDで、幅広向けの展開がないからです。ここを知らずに0.5cmずつ上げていくと、幅は足りても長さが余るという妙な履き心地になります。
幅で悩む人の答えのひとつが、Made in USA 990v6です。メンズはD(やや細い)・2E(標準)・4E(幅広)、ウィメンズはB(やや細い)・D(標準)・2E(幅広)の3種類のワイズから選べます。ニューバランスジャパンの公式ニュースリリースにワイズ別の展開が明記されているので、購入前に一度目を通す価値があります。
ネックは価格で、36,300円と他モデルより一段高くなります。そのぶんアッパーはメッシュにピッグスキンスエードとシンセティックレザーのオーバーレイを重ねた作りで、ミッドソールには990シリーズで初採用となったFuelCellが入っています。予算が届かない場合は、574シリーズの2E展開モデルを探すのが現実的な代替案です。
定番7モデルを価格順に並べると、迷う範囲はここまで狭くなる
価格とワイズで並べた早見表(くつのトリセツ調べ)
公式ニュースリリースと大手販売店の掲載情報から、現行7モデルの価格・ワイズ・ソールを一枚にまとめました。数字を横並びにすると、価格差がどこから来ているのかが見えてきます。
| モデル | 価格(税込) | ワイズ | ソールの中身 |
|---|---|---|---|
| MR530 | 12,980円 | ユニセックスサイズ | ABZORB搭載ミッドソール |
| ML574 | 実勢13,970円前後 | D | かかとにENCAP |
| MS327 | 登場時14,300円 | D | フレアな形状のミッドソール |
| 574 Legacy | 14,850円 | D | かかとにENCAP |
| CM996V2 | 16,940円 | D | C-CAP採用の2層構造 |
| 2002R | 19,800円 | D | N ERGY+ABZORB |
| 1906R | 22,000円 | D | N ERGY+ABZORB+スタビリティウェブ |
| Made in USA 990v6 | 36,300円 | D/2E/4E(メンズ) | FuelCell |

価格差の中身は「ソールの層」と「生産国」に集約される
12,980円のMR530と36,300円の990v6では価格に3倍近い開きがありますが、その差は主にソール構造と生産国から来ています。MR530はABZORB搭載ミッドソールというシンプルな構成、990v6はFuelCellを採用したうえでMade in USAの自社工場生産です。素材とクッション材の量、そして人件費が価格に乗っている、と考えるとわかりやすくなります。
中間層を見ると構造がさらにはっきりします。2002Rは19,800円ですが、生産をアジアに移して復刻したモデルで、元になったMade in U.S.A.の2002は2010年に登場したフラッグシップでした。つまり同じ設計思想のソールを、生産国を変えることで手に届く価格帯に持ってきたのが2002Rという位置づけです。
ここで気をつけたいのは、価格が高いモデルほど自分に合うとは限らないという点です。990v6は幅が選べるぶん、Dワイズしかない他モデルより「合わせやすい」のは確かですが、重量もボリュームも増えます。歩く距離が短い人が36,300円を出しても、その性能を使い切る場面が来ないことは普通にあります。
「安いから型落ち」ではない。574と996が20年以上残っている理由
ML574やCM996が現行モデルの中では手頃な価格帯にいるのは、性能が劣っているからではなく、生産数が多く長く作り続けられているからです。574は80年代のオフロードシューズ576のDNAを引き継いで誕生した500番台の系譜、996は1988年に登場した996の復刻。どちらも新作というより「定番として作り続けられている棚の主」です。
長く残るモデルには実用上のメリットがあります。カラーの再入荷が読みやすく、サイズが売り切れても翌シーズンに同じ品番で買い直せる。1足目として選んだあと、2足目を色違いで揃えるという買い方がしやすいのはこのグループです。
一方で、定番だからこその弱点もあります。街で履いている人が多いので被りやすく、グレーの574やネイビーの996は特に遭遇率が高い。人と違うものを履きたい人にとっては、そこが最大の妥協点になります。
996と574、最初の1足はどちらが正解か

996はシャープ、574は丸い。パンツの裾を見れば答えが出る
この2足の違いは、結局のところシルエットです。996はSL-1というラストで作られたシャープな細身、574はSL-2ラストで丸みを帯びたフォルム。並べて置くとつま先の膨らみ方が明確に違います。どちらが優れているという話ではなく、合わせる服で決めるのが正解です。
判断の基準を具体的にすると、裾幅が細いテーパードパンツやスラックスなら996。裾がまっすぐ落ちるストレートデニムやワイドパンツなら574が収まります。574の丸いつま先は裾のボリュームに負けにくく、996のシャープさは細い裾から出たときの足元をすっきり見せます。
注意点は足の形との相性です。996は細身なぶん、幅が広い足だと小指側が当たりやすい。574のほうが相対的に余裕があるため、幅で悩んだ経験がある人は574から試すほうが空振りが少なくなります。ただしどちらもワイズはDが基本なので、幅広を自覚している人は次章の話が先です。

1足目で迷ったら、手持ちのパンツの裾幅で決めるのが近道です。裾が細いスラックス・テーパードが多いならシャープなCM996V2(16,940円)、裾がまっすぐ落ちるストレートやワイドが多いなら丸いフォルムのML574(実勢13,970円前後)。どちらもワイズはDなので、幅で悩んだ経験がある人は574から試すほうが空振りが減ります。
CM996は16,940円。C-CAPの2層ミッドソールが効いてくる場面
CM996V2は16,940円で、C-CAP採用の2層構造ミッドソールとPUインソールという構成です。クッションの性格としては、沈み込みすぎず反発も強すぎない中間型。街を歩き回る日でも足裏が痛くなりにくい、といった使い方に向いています。
この構成が効くのは、駅と職場の往復に加えて昼休みに歩くような、細切れに歩数が積み上がる生活です。ソールが厚すぎないので階段の上り下りで足首が振られにくく、電車での立ち姿勢でもふらつきにくい。1足でオンとオフを兼ねたい人にとって扱いやすいバランスです。
デメリットは2つあります。ひとつは細身のラストゆえの窮屈さで、幅がある人はハーフサイズ上げても甲の圧迫が残ることがある点。もうひとつは価格の位置づけで、アメリカ製のM996/U996は生産終了と復刻を繰り返しており、同じ「996」でも価格帯が別物になります。ネットで探すときは品番がCMかMかを必ず確認してください。
ML574はENCAPでどっしり。実勢13,970円前後という安心感
ML574は実勢13,970円前後(時期により変動)で買えて、かかとにENCAPを積んだ構造を持ちます。ENCAPはかかとの安定を担うパーツで、着地したときの横ブレを抑える役割。丸いフォルムの見た目に対して、履くとどっしりした安定感があるのはこの構造によるところが大きいです。
使いどころは、荷物を持って歩く日や、砂利や芝生のような足元が安定しない場所を歩く日です。もともと576というオフロードシューズの系譜なので、舗装路以外に足を踏み入れる機会がある人には向きます。子どもと公園に行くような使い方とも相性がいいモデルです。
妥協点はスエードの弱さ。574の定番カラーはスエードとメッシュの組み合わせが多く、雨に濡れると毛並みが寝て色ムラが出ます。買った当日に防水スプレーをかけておくかどうかで、半年後の見え方がはっきり変わります。同じ574でも、サステナビリティ素材を使った574 Legacy(U574LG)は14,850円で、22.0〜29.0cm、30.0cmという広いサイズ展開が用意されています。
失敗パターン①「レビューを見て一律1cm上げ」で靴擦れする
ネットで多い失敗が、「ニューバランスは小さめ」というレビューを見て、モデルを問わず一律で1cm上げてしまうケースです。結果として、幅は合っているのに長さが余り、歩くたびにかかとが浮いて靴擦れができます。上げ幅はモデルごとに違うので、ひとまとめにするのが危険なのです。
原因は、レビューを書いた人の足の幅と自分の足の幅が違うことにあります。細身の996で「1サイズ上げないときつい」と感じるのは、足長ではなく足囲が合っていないから。長さで幅の不足を補おうとすると、必ずどこかが余ります。
対策はシンプルで、足長を実測してからワイズの選択肢を見ることです。ニューバランスは足長を0.5cm刻み、ワイズをB・Dから4E・6E(G)まで展開しており、この組み合わせでフィットを合わせる設計になっています。まず自分の足長を知り、ワイズが1種類しかないモデルなら「そのモデルは自分に合わないかもしれない」と判断する。この順番なら、無理な上げ幅に頼らずに済みます。
歩く距離が長い人が選ぶべき2足
1906RはN ERGY+ABZORB。22,000円を出す価値がどこにあるか
1906Rは22,000円(カラーによっては20,900円で出るものもあります)で、N ERGYとABZORBを組み合わせたソールユニットに、TPU素材のスタビリティウェブでアーチを補強した構造を持ちます。2009年に登場したオリジナルの1906を2022年に再構築した復刻モデルで、1906という数字はニューバランスの創業年から来ています。
価格差の理由はソールユニットの層の数です。ABZORBが衝撃を吸収し、N ERGYが反発を返し、TPUのウェブがねじれを抑える。3つの役割を別のパーツで受け持たせているぶん、部品点数も工程も増えます。歩数が1万歩を超える日に、後半の足裏の疲れ方で差が出るのはこの構造によるものです。
サイズ展開は22.5〜29.0cm、30.0cmと広く、家族で共有しやすい範囲をカバーしています。一方でワイズはDのみ。幅広の人には選択肢がないので、ここは正直な弱点です。なお、この1906の木型を使ったローファータイプも展開されており、革靴寄りの見た目でスニーカーの履き心地を求める人はそちらも候補になります。

「ニューバランス ローファー」で調べると、検索結果がほぼ1足のモデルに集中します。1906L。ランニングシューズの底に、ひものないローファーの甲を載せたハイブリ…
2002RはM860と同じ思想のソール。19,800円で買える重厚感
2002Rは19,800円で、ヌバックとメッシュを組み合わせたアッパーに、N ERGYとABZORBのソールユニットを載せたモデルです。もとになった2002はMade in U.S.A.のフラッグシップとして2010年に登場したモデルで、それをアジア製として2020年秋に復刻したのが2002R。登場時のML2002Rは17,600円でした。
このモデルが支持される理由は、ランニングシューズM860と同様のソールユニットを採用したことで、見た目の重厚感と実際の履き心地が一致している点にあります。厚みのあるシルエットが好きだけれど、見た目だけのボリュームスニーカーは避けたい、という要求に応えられます。サイズ展開は23.0〜29.0cmです。
注意すべきはアッパーのヌバックです。起毛した革なので、水と摩擦に弱く、雨の日に履くと部分的に色が濃く残ることがあります。防水スプレーと専用ブラシは実質的に必須と考えてください。ここを面倒に感じる人は、メッシュ比率の高いカラーを選ぶのが逃げ道になります。
1906Rと2002R、どちらを選ぶかの分かれ目
この2足は価格も構造も近く、店頭で最も迷いやすい組み合わせです。判断軸は2つあります。ひとつはサイズ展開で、1906Rは22.5〜29.0cm・30.0cm、2002Rは23.0〜29.0cm。足が小さい人・大きい人は1906Rのほうが選べる幅が広くなります。
もうひとつはアッパー素材です。1906Rはシンセティックレザーとメッシュのコンビネーション、2002Rはヌバックとメッシュ。手入れの手間で言えば、天然の起毛革を使う2002Rのほうが気を遣います。雨の日も気にせず履きたいなら1906R、質感の深さを取るなら2002R、という分け方が実用的です。
共通する妥協点は、どちらもワイズがDしかないこと。そして厚みのあるソールゆえに、フォーマル寄りの服装には合わせにくいこと。オフィスがカジュアルでない職場だと、活躍の場が休日に限られる可能性は見込んでおいたほうがいいでしょう。
1906R・2002R・CM996はいずれもワイズがDのみの展開です。足幅に不安がある人は、この3モデルを長さで調整しようとせず、ワイズが選べるモデルに切り替える判断を先にしてください。カラーによって価格が異なる場合があるため、購入前に品番と価格の対応を確認するのが確実です。
実は「ソールが厚いほど疲れにくい」わけではない
意外と知られていないのですが、ソールが厚いモデルほど疲れにくいとは限りません。厚いソールは着地の衝撃を和らげる一方で、足の下でグラつきやすくなる面もあります。ニューバランスが1906RにTPUのスタビリティウェブを入れているのは、まさにその不安定さを打ち消すためです。
つまり厚み単体ではなく、「厚み+ねじれを抑える構造」がそろって初めて長時間歩行で効いてきます。逆に言えば、厚みだけあって支える構造がないボリュームスニーカーは、長く歩くと足首まわりが疲れることがあるわけです。574のようにソールが控えめでもENCAPでかかとを安定させているモデルが、いまだに支持されている理由もここにあります。
選ぶときの実践的な確認方法は、店頭で靴を持って前後にひねってみることです。簡単にねじれる靴は、その方向の力を足で受け止めることになります。もちろん柔らかい靴が悪いわけではなく、短時間の街履きなら軽さが利点になる。使う時間の長さで判断を変えるのが正解です。
予算を抑えたい人の現実解は530と327
MR530は12,980円。ABZORB搭載でこの価格帯は珍しい
MR530は12,980円で、ABZORB搭載ミッドソールを持つユニセックスサイズのモデルです。2000年代のフィットネスランニングシューズをファッションアイテムとして再提案したモデルで、今回取り上げた7モデルの中では最も手が届きやすい価格に位置しています。
この価格でABZORBが入っているのは、構成をシンプルにまとめているからです。1906Rのように3種類のパーツを重ねるのではなく、クッション材を1本で通す設計。そのぶん軽く仕上がり、厚底気味のシルエットのわりに足取りが重くなりにくいという特徴があります。
向いているのは、スニーカー1足にかける金額をできるだけ抑えたい人、または最初の1足として様子を見たい人です。妥協点としては、ソールが白い個体が多く汚れが目立ちやすいこと。ミッドソールの側面はゴムに近い質感なので、消しゴムタイプのクリーナーで定期的に落とす前提で考えておくと後悔がありません。
MS327は登場時14,300円。フレアなミッドソールの好き嫌い
MS327は登場時14,300円で発表されたモデルで、実勢は13,970円前後で流通しています。1976年の320、1977年の355とSuper Compという3つのレトロランニングシューズから着想を得ており、オーバーサイズのNロゴとフレアに広がるミッドソールが特徴です。公式ニュースリリースにデザインの由来が説明されています。
選ぶ理由になるのは、明確に「ニューバランスを履いている」とわかる見た目です。574や996が街に溶け込むデザインなのに対し、327は横から見たときのソールの跳ね上がりが目立ちます。人と被りたくない人にとってはここが利点です。アッパーにはナイロンが使われ、軽さもあります。
デメリットは相当はっきりしていて、この形状は好みが割れます。ソールが前後に伸びるぶん実際より足が大きく見えやすく、写真で見た印象と履いたときの印象が違うと感じる人もいます。サイズ展開は23.0〜28.0cm、29.0cmで、ワイズはD。試着できるなら必ず全身鏡で見てから決めてください。
予算と使い方で決める、シーン別の落としどころ
ここまでの7モデルを、実際の使い方に当てはめて整理します。同じ「街履き」でも、歩く距離と服装で答えが変わるためです。
| 使用シーン | おすすめモデル | 価格(税込) |
|---|---|---|
| はじめての1足・予算重視 | MR530 | 12,980円 |
| 細身のパンツに合わせたい | CM996V2 | 16,940円 |
| ワイドパンツ・休日の街歩き | ML574 | 実勢13,970円前後 |
| 旅行・1日中歩く日 | 1906R | 22,000円 |
| 足幅が広い・ワイズを選びたい | Made in USA 990v6 | 36,300円 |
失敗パターン②「セール価格につられて色で選ぶ」
もうひとつ多い失敗が、セールで安くなっている色だけを見て買ってしまい、手持ちの服と合わずに履かなくなるパターンです。ニューバランスはカラー展開が多く、シーズン落ちの色が大きく値下げされることがあるため、価格に引っ張られやすいのです。
原因は、スニーカーを単体で見て判断していることにあります。574や996はグレー・ネイビーといった落ち着いた色が定番として残り続ける一方、セールに出やすいのは季節性の強い色です。安いのには理由があり、その理由はたいてい「合わせにくい」ことにあります。
対策は、買う前に手持ちのパンツを3本思い浮かべて、そのすべてに合うかを確認することです。3本中2本以下しか合わないなら、それは2足目以降に回すべき色。1足目に選ぶなら、履く頻度が下がらない色を優先したほうが結果的に安く済みます。値下げ幅ではなく、1回あたりの履くコストで考えるのがコツです。
ニューバランス買うならどれ?足幅で答えが変わる人へ
D・2E・4Eの意味。同じcmでも中身がまるで違う
ワイズは足囲の規格で、アルファベットが後ろに行くほど広くなります。ニューバランスは足長を0.5cm刻みで展開し、ワイズをやや細いB・Dから、超ワイドな4E・6E(G)まで用意して、その組み合わせでフィットを合わせる設計を採っています。同じ27.0cmでも、Dと4Eでは足の入る空間が別物です。
この仕組みを知っていると、サイズ選びの発想が変わります。「きついから0.5cm上げる」ではなく、「幅が足りないからワイズを上げる」という選択肢が出てくるからです。長さで幅を補うと、つま先に余った空間の分だけ足が前後に動き、かかとが擦れます。
ただし注意点があり、日本で流通するライフスタイルモデルの多くはDワイズのみの展開です。CM996も1906Rも2002RもD。つまり「ワイズを選ぶ」という手段が使えるモデルは、実は限られています。ここを知らないまま店を回ると、どれを履いてもきつく感じて疲れてしまいます。
幅広なら990v6の36,300円が最短ルートになる理由
足幅が広い人にとって、Made in USA 990v6は遠回りに見えて最短ルートです。メンズのM990GL6はD・2E・4E、ウィメンズのW990GL6はB・D・2Eの3種類のワイズから選べる展開になっており、幅で妥協せずにサイズを決められます。
この展開が実現している背景には、990シリーズがランニングシューズの系譜であることがあります。1982年に「1000点満点中990点」と宣言して誕生した初代990から続くシリーズで、ミッドソールには990シリーズで初採用となったFuelCellが入っています。アッパーはメッシュにピッグスキンスエードとシンセティックレザーのオーバーレイを重ねた構成です。
ネックはやはり価格と入手性です。36,300円という価格に加え、ニューバランス公式オンラインストアおよび一部のオフィシャルストア(原宿・銀座・名古屋・大阪・ヒューリック札幌・福岡)が主な取扱いとされており、近所の店でふらっと試着というわけにいかないこともあります。サイズ展開はメンズが25.0〜29.0cm・30.0cm、ウィメンズが22.0cm・23.0〜25.0cmです。
| サイズ展開 | メンズ 25.0〜29.0cm・30.0cm/ウィメンズ 22.0cm・23.0〜25.0cm |
| ワイズ(足幅) | メンズ D/2E/4E、ウィメンズ B/D/2E |
| ミッドソール | FuelCell(990シリーズ初採用) |
| 生産国・価格 | Made in USA/36,300円 |
予算が届かないときの中間解は574の2E展開
36,300円は出せないけれど幅は欲しい、という人には574シリーズの2E展開モデルという道があります。574は同じ品番でもDと2Eの両方が流通しており、幅広向けの選択肢を持つ数少ないライフスタイルモデルです。価格帯はML574の実勢13,970円前後(時期により変動)から探せます。
これが機能するのは、574がもともと丸みのあるフォルムで、Dワイズでも996より余裕があるためです。そこに2Eが加わると、幅で悩んでいた人の多くが収まる範囲に入ります。加えて574 Legacy(U574LG)は14,850円で22.0〜29.0cm、30.0cmという広いサイズ展開があり、家族で選びやすいのも利点です。
注意点は在庫の読みにくさです。2Eは全カラーで用意されているわけではなく、選べる色が限られます。「この色の2E」を狙うと待つことになるので、色よりも幅を優先する覚悟が要ります。また同じ574でもモデルによって展開が異なるため、購入ページのワイズ表記を必ず確認してください。
測ってから買う。3Dスキャンという近道がある
自分の足長と足幅を数値で知らないまま選ぶのは、地図なしで歩くようなものです。ニューバランスのストアでは3Dスキャンで足長・足幅・土踏まずの高さ・左右差を計測できるサービスが用意されており、一度受けておくと以後の靴選びが一気に楽になります。
数値を持っている強みは、ネット購入で発揮されます。足長が決まっていれば、あとは各モデルのワイズ展開を見て「このモデルは自分の幅では厳しい」と事前に判断できる。試着できない環境でも、返品前提の博打をしなくて済みます。
自分で測る場合は、夕方にかかとを壁につけて立ち、いちばん長い指の先までを測ります。ここで気をつけたいのが左右差です。多くの人は左右で足長が違うので、長いほうの足を基準にする。短いほうに合わせると、片足だけがきつい靴になってしまいます。
買ってから後悔しないための、サイズと素材の落とし穴
ネット購入は「足長実測→ワイズ→モデル」の順で決める
ネットで買うときの手順は、モデルを決めてからサイズを探すのではなく、逆から進めるのが確実です。まず足長を実測し、次にワイズの見当をつけ、その条件で買えるモデルを絞る。この順番なら、気に入ったのに合わないという事態を先回りで避けられます。
この順番が有効なのは、ニューバランスが足長とワイズの組み合わせでフィットを設計しているからです。設計の思想どおりに選べば、無理な上げ下げが要りません。逆にモデルから入ると、Dワイズしかないモデルに幅広の足を押し込むことになりがちです。
注意点として、同じcm表記でもモデルによって履き心地が違うことは避けられません。996は細身のSL-1ラスト、574は丸みのあるSL-2ラスト。同じ27.0cmでも入り方が変わるので、レビューの「◯cm上げた」という情報は、そのモデルの話としてだけ受け取ってください。
スエードとヌバックは雨に弱い。買う前に決めておくこと
574はスエードとメッシュ、2002Rはヌバックとメッシュのアッパーです。どちらも起毛した革なので、水に濡れるとシミや色ムラが残りやすく、乾かし方を誤ると毛並みがつぶれます。買ってから「雨の日にどうするか」を考えるのではなく、買う時点で決めておくのが賢いやり方です。
具体的には、購入直後にフッ素系の防水スプレーをかけ、履いたあとは専用ブラシで毛を起こす。この2つを習慣にするだけで、半年後の見え方がまったく変わります。汚れてしまってからのリカバリーは手間がかかるので、先手を打つほうが結果的に楽です。
もし手入れの手間を負いたくないなら、1906Rのようにシンセティックレザーとメッシュで構成されたモデルを選ぶ手があります。人工素材は水に強く、拭き取りで済む場面が多い。見た目の深みは天然の起毛革に譲りますが、雨の日も気にせず履きたい人にとっては合理的な選択です。

お気に入りのスウェードスニーカー、白っぽく黒ずんできたり、雨ジミがついたりして「これって洗っていいの?」と手が止まっていませんか。革やキャンバスと同じ感覚でジャ…
生産終了と復刻を繰り返すモデルがあることを知っておく
ニューバランスには、生産終了と復刻を繰り返すモデルが存在します。代表例がアメリカ製のM996/U996で、アジア製のCM996とは価格帯も入手しやすさも異なります。「996が欲しい」と検索したときに、まったく違う価格の商品が並ぶのはこのためです。
2002Rも同じ構図です。もとのMade in U.S.A.の2002は2010年登場のフラッグシップで、そこからアジア製として復刻されたのが2002Rでした。復刻版は生産国を変えることで手に届く価格になっていますが、素材や仕上げは完全な同一ではありません。
実務的な対処は2つです。ひとつは購入前に品番を確認すること。CM996とM996、2002Rと2002は別物です。もうひとつは、正規取扱店で買うこと。人気モデルの真贋を写真だけで見分けるのは容易ではなく、確実な方法とは言えません。定価で正規に買えるうちに買うのが、いちばん安全な選び方です。
品番の確認を忘れずに。「996」にはアジア製のCM996とアメリカ製のM996/U996があり、価格帯が異なります。「2002」も、Made in U.S.A.のオリジナルとアジア製の2002Rは別物です。商品ページのアルファベットを含む品番と、ワイズ表記の2点を必ず確認してから決済してください。
まとめ:ニューバランス選びは3つの質問で終わる
迷っている段階でやるべき最初の一歩は、店に行くことでも通販ページを開くことでもなく、夕方に自分の足長を左右とも測ることです。数値が1つあるだけで、この記事の7モデルのうちどれが候補から外れるかが決まり、選択肢は一気に減ります。そのうえで、通勤か旅行か、細身か太めか、という2つの質問に答えれば、買うべき1足はほぼ自動的に残ります。
※価格・サイズ展開・カラー展開は変動します。購入前にニューバランス公式オンラインストアなど正規の取扱店で最新情報をご確認ください。

コメント