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「スタンスミスって、いつのまにか本革じゃなくなったんですよね?」——売り場でいちばん多い質問がこれです。たしかにアディダスは2020年12月、動物由来の素材を使わないスタンスミスを発表しました。ニュースの見出しだけを見ると、本革モデルは全滅したように読めます。
ですが結論から言うと、レザー(本革)のスタンスミスは今も普通に買えます。しかも1種類ではありません。ABC-MART公式通販の商品ページで素材欄を1つずつ確認していくと、「天然皮革」とだけ書かれたモデル、「天然皮革/合成皮革」と併記されたモデル、コラボ限定の本革モデルまで、価格帯を分けて併売されている状態でした。安いものは13,200円(税込)から、いちばん上のスタンスミス LUXで19,800円(税込)です。
問題は「どれが本革か、買う前に見分けられない」ことのほうです。商品名には素材が書かれておらず、説明文には合皮モデルでも「レザーと同じ外観と手触り」という表現が出てきます。この記事では、素材表記の読み方(これは法律で用語が決まっています)、現行モデルの価格と素材の一覧、サイズ感、そして本革ならではの弱点と手入れまで、順番に整理します。
・本革のスタンスミスは今も買える。ABC-MART公式通販で確認できた現行モデルと価格
・「天然皮革」「人工皮革」「合成皮革」の表示は法律で用語が決まっている。その読み分け方
・本革版と合皮版で変わるサイズ感、伸び方、手入れの手間
・雨の日メインの人にはあえて合皮版をすすめる理由
スタンスミス レザー(本革)は今も買える。まず結論から

本革モデルは消えていない。価格帯が3つに分かれただけ
2026年9月時点でABC-MART公式通販の商品ページを1つずつ開いて素材欄を確認したところ、本革を使ったスタンスミスは価格帯ごとに3つのグループに分かれていました。いちばん手に取りやすいのが13,200円(税込)のグループで、M20324、M20327、S75104、スタンスミス FD F36575がここに入ります。素材欄の表記は「天然皮革/合成皮革」です。次が15,400円(税込)のJH7427とJI3379で、こちらは素材欄が「天然皮革」だけ。そして19,800円(税込)のスタンスミス LUX HQ6787が最上位で、素材欄はやはり「天然皮革」です。
この3グループは、単に値段が違うだけではありません。素材欄の書き方そのものが違います。「天然皮革/合成皮革」は、本革と合皮の両方が甲に使われているという意味です。対して「天然皮革」だけの表記は、甲の主要部分に本革が使われていることを示します。つまり価格が上がるほど本革の使用範囲が広がる、という素直な構造になっています。
注意点もあります。この価格はABC-MART公式通販に表示されている価格で、セール対象になったり、カラーによって在庫が消えたりします。実際、ABC-MART限定のKK1304は通常13,200円(税込)ですが、確認した時点ではセール価格が付いていました。買う直前に必ず商品ページの現在価格を見てください。
「天然皮革」の4文字が唯一の確実な目印
本革かどうかを判断する材料は、商品ページの素材欄しかありません。ここに「天然皮革」の4文字が入っていれば本革が使われています。入っていなければ、どれだけ商品説明が革っぽい言葉で書かれていても本革ではありません。
なぜ説明文が当てにならないかというと、合皮版のスタンスミスのアッパーが「レザーと同じ外観と手触りの日本製のプレミアムPUコーティングを施したリサイクルポリエステル」と説明されているからです。革に似せることが開発目標なので、説明文は当然レザーに寄った表現になります。「レザースニーカー」というカテゴリ名で売られていることもあります。カテゴリ名や商品説明ではなく、素材欄だけを見る。これが唯一の確実な方法です。
逆に言うと、素材欄が読めない状態で買うのは避けたほうがいいということでもあります。フリマアプリや並行輸入の出品では素材欄そのものが省略されていることが多く、品番だけが手がかりになります。品番と素材の対応は後の章で表にまとめました。
迷ったときの選び方は、履く頻度で決まる
3つの価格帯のどれを選ぶかは、「週に何日履くか」で決めるのがいちばん外しません。週1〜2日の休日用なら13,200円(税込)のM20324やS75104で十分です。甲の一部に合皮が入っているぶん、雨や汚れへの耐性は本革100%のモデルより高くなります。ほぼ毎日履く、あるいはクリームを塗って育てたいなら、素材欄が「天然皮革」だけの15,400円(税込)JH7427か、19,800円(税込)のLUXです。
ここで見落としがちなのが、本革比率が上がるほど手入れの前提も上がる点です。天然皮革は乾燥するとひび割れの原因になるため、履く頻度が高いほどクリームでの油分補給が必要になります。「高いほうを買っておけば安心」ではなく、「手入れをする気があるかどうか」で選ぶ、と考えてください。
もうひとつ。LUXはABC-MART公式通販で確認した時点で、購入できるサイズが2つしか残っていませんでした。上位モデルほど在庫の回転が読みにくいので、狙っているサイズがあるなら見つけた時点で判断したほうが後悔は少なくなります。
スタンスミスは同じ「STAN SMITH」という商品名で、本革・本革+合皮・合皮の3種類が並行して売られています。商品名・カラー名・商品説明では区別できません。必ず商品ページの「素材」欄と「メーカー品番」の2つを確認してから買ってください。
なぜ「スタンスミスは合皮になった」と言われるのか
2020年12月14日、レザーを使わないスタンスミスが出た
話の出発点は2020年12月14日です。この日、アディダスはサステナビリティ戦略「END PLASTIC WASTE」に基づき、動物由来の素材を使用しないスタンスミスを発売しました。品番でいうとFX5502やFX5522がこれにあたります。発売時の価格はFX5502が税別8,990円、FX5522が税別13,000円と発表されています。
このモデルのアッパーは、レザーと同じ外観と手触りの日本製のプレミアムPUコーティングを施したリサイクルポリエステルです。アウトソールには天然ラバーやリサイクルラバーを使い、レース、ライニング、インソールなどのディテールもすべてリサイクル素材でまとめられています。高機能リサイクル素材PRIMEGREENを50%使用した設計です。
ここで押さえておきたいのは、これが「値下げ版」でも「廉価版」でもなかったことです。素材を切り替えた新しい標準モデルとして出された、というのが正確な位置づけになります。だからこそ、旧来の本革モデルが置き換えられるという話につながりました。
「在庫がなくなり次第、販売終了」という報道が独り歩きした
WWDJAPANの報道では、レザーを使った旧モデルは在庫がなくなり次第、販売終了とされていました。この一文が要約されて広まった結果、「スタンスミスの本革は終わった」という理解が定着します。実際、当時のアディダス公式通販で本革モデルが見つけにくくなったのは事実です。
ただし報道の中身をよく読むと、これはアディダス全体の素材方針の話でした。同社は2024年までにアディダスの全ての製品においてバージンポリエステルの使用を廃止し、リサイクルポリエステルに切り替えるという目標を掲げています。ポリエステルの調達をリサイクル由来に切り替えるという話と、革をやめるという話が、ニュースの中で混ざって伝わりました。
結果として何が起きたか。合皮版が標準ラインとして広く流通する一方で、本革版は価格帯を上げた別ラインとして残る、という住み分けになりました。本革を探している人が「もう売っていない」と思い込んでしまうのは、この住み分けが商品名の上に表れないからです。
本革版は2022年12月にLUXという名前で戻ってきた
本革のスタンスミスがはっきり形を取り戻したのが、2022年12月15日に国内発売されたスタンスミス LUXです。品番はHP2201、HQ6785、HQ6787の3型で、発売時の価格は16,500円(税込)と告知されていました。ABC-MART公式通販の商品説明では「この象徴的なレザースニーカーを、そのままの形で再現したもの」と書かれています。
そして現在、ABC-MART公式通販でのHQ6787の価格は19,800円(税込)です。発売時の16,500円(税込)から改定されています。革の相場や為替の影響を受けやすい価格帯なので、「前に見たときより高い」と感じたら記憶違いではありません。
LUXの素材欄は「天然皮革」のみ、ソールはゴム底です。カラーはCORE/CORE/CARBのようなオールブラック系も用意されています。ただし前述のとおり在庫は薄めで、サイズによっては再入荷待ちになります。定価で確実に買いたいなら、入荷のタイミングを逃さないことが条件になります。
PRIMEGREEN(プライムグリーン)=アディダスが使う高機能リサイクル素材の名称。スタンスミスの合皮版ではこれを50%使用し、アッパーにはPUコーティングを施したリサイクルポリエステルが使われています。「プライムグリーン=革の一種」ではなく、革の代わりに使われる素材群の呼び名です。
素材表記の読み方——天然皮革・人工皮革・合成皮革は別物

靴の素材表示は法律で用語が決まっている
スニーカーの素材欄がどれも似た書き方になっているのは偶然ではありません。消費者庁が所管する家庭用品品質表示法で、靴の表示ルールが定められているからです。対象は「甲に合成皮革を、本底にゴム、合成樹脂又はこれらの混合物を使用し、甲と本底とを接着剤により接着したもの」で、スニーカーの多くがここに入ります。
このルールでは、甲皮の材料は「合成皮革」または「人工皮革」と表示することになっています。底材はゴムなら「ゴム底」、合成樹脂なら「合成底」です。さらに取扱注意事項と、表示者の氏名又は名称・住所又は電話番号の付記も求められています。素材欄が短い単語の羅列になっているのは、こうした決まった用語を並べているからです。
読み手として重要なのは、これらが感覚的な言葉ではなく定義のある用語だという点です。「レザー調」「レザータッチ」といった商品説明の言い回しには法的な裏づけがありません。素材欄に並ぶ用語だけが、決まった意味を持っています。制度の原文は消費者庁「靴」の品質表示ページで確認できます。
合成皮革と人工皮革は「基布」が違う
合成皮革と人工皮革は同じもののように扱われがちですが、日本では区別されています。日本皮革産業連合会の皮革用語辞典によると、合成皮革は「皮革の人工代替品。人造皮革ともいうが、日本では人工皮革とは区別している」と定義されています。
構成はこうです。織布、編布、不織布などを基布とし、基布上に塩化ビニル(PVC)、ナイロンスポンジ(PA)、ポリウレタン(PU)などの多孔性の合成樹脂を塗布したあと、さらに仕上げ層として変性ナイロン、ポリウレタン、ポリアクリル樹脂などを塗布したもの。同辞典は、合成皮革は表面層のみを天然の革に似させているものだとも書いています。
一方の人工皮革は、不織布を基材にして革の内部構造まで再現しようとする素材です。乱暴に整理すると、合成皮革は「布に樹脂を塗ったもの」、人工皮革は「革の構造をまねた不織布」。スタンスミスのABC-MART限定KK1304やリバティ ロンドンKK2762の素材欄が「天然皮革・人工皮革(=合成皮革)」と書かれているのは、この2つの用語を併記しているためです。定義は日本皮革産業連合会の皮革用語辞典で読めます。
「天然皮革/合成皮革」の併記は何を意味するか
13,200円(税込)のM20324やM20327の素材欄は「天然皮革/合成皮革」です。この併記は、甲に本革と合皮の両方が使われていることを示します。どの部位がどちらか、までは表示義務がないため、外側から見て判断するしかありません。
実物で見当をつけるなら、シューレースホールの周辺やヒールタブといった補強のかかる部分に合皮が使われることが多く、面積の大きい側面には革が使われる、という傾向はあります。ただしこれは断定できる話ではないので、本革100%を求めるなら素材欄が「天然皮革」のみのモデルを選ぶのが確実です。
実用面での差もはっきりしています。合皮が混ざるぶん、履きジワの入り方が部分的に変わり、クリームを塗ってもツヤが均一になりにくくなります。逆に、水がしみ込みにくく型崩れしにくいというメリットもあります。「本革比率が高い=良い靴」ではなく、「育てる靴か、気楽に履く靴か」の分岐点だと考えるとしっくりきます。
ありがちな失敗:商品説明の「レザー」を信じて合皮を買ってしまう
売り場でよく聞くのが「レザーって書いてあったのに、届いたら革じゃなかった」という話です。原因ははっきりしていて、商品説明文と素材欄を混同していることにあります。合皮版のアッパーは「レザーと同じ外観と手触り」を目指して開発されているので、説明文には当然レザーという言葉が出てきます。
対策は3つです。1つ目、商品ページの「素材」欄で「天然皮革」の4文字を探す。2つ目、メーカー品番を控えて、同じ品番の別ショップの表示と突き合わせる。3つ目、通販サイトの検索で素材フィルタが用意されている場合はそれを使う。ABC-MART公式通販には素材で絞り込む機能があり、「天然皮革」と「人工皮革」を選び分けられます。
すでに手元にある靴の素材が知りたい場合は、内側のタグやシュータン裏の表示を見てください。家庭用品品質表示法にもとづく表示があれば、そこに甲皮と底材の用語が書かれています。表示が消えている中古品は、品番から特定するのが現実的です。
天然皮革=動物の皮をなめした、いわゆる本革。人工皮革=不織布を基材に革の構造をまねた素材。合成皮革=織布・編布・不織布を基布とし、その上にPVCやPUなどの合成樹脂を塗ったもの。靴の素材欄に並ぶこの3語は、家庭用品品質表示法にもとづく決まった用語です。
スタンスミス レザー(本革)の現行モデルを価格順に並べる
13,200円クラス:定番品番の4型
いちばん選択肢が多いのが13,200円(税込)のグループです。白のRWHT/RWHI/FAIRであるM20324、オールブラックのM20327、S75104、そしてゴールドのアクセントが入るスタンスミス FD F36575。いずれも素材欄は「天然皮革/合成皮革」で、本革と合皮の混成です。
このグループの強みは、サイズ展開の広さと在庫の安定です。M20324は22cmから29cmまでが0.5cm刻みで用意され、さらに30cm・31cmまで設定があります。確認した時点で22cmから29cmまでが購入可能でした。ペアで揃えたい、家族で同じモデルを買いたいといった場合に困りません。
商品説明では「1971年に発売されたオリジナルの要素を忠実に再現。レザーを使用したミニマルなデザインのクリーンなシルエットに仕上げている」とされています。注意点は、混成ゆえに経年変化が読みにくいこと。クリームを塗ったときの色の入り方が部位で変わるため、「全体を均一に育てる」用途には向きません。普段履きとして気楽に使う一足です。
15,400円クラス:素材欄が「天然皮革」だけになる2型
JH7427(FTWR/WOND/CORE)とJI3379(FTWR/CORE/CORE)は15,400円(税込)で、素材欄は「天然皮革」のみです。商品説明は「デビューから50年、タイムレスなデザインのスタンスミス。当時のスタイルを維持しつつ、全体のクリーンなシルエットにラギッドなディテールをプラスしたのが、アメリカーナワークウェアにインスパイアされた本モデル」となっており、定番より少し無骨な方向に振られています。
サイズ展開はJH7427で22cmから29cmまで0.5cm刻み、加えて30cmです。確認時点では16サイズが購入可能で、在庫は厚めでした。本革100%の入口として現実的な選択肢になります。
知っておきたい注意書きが商品ページにあります。「天然皮革を使用しているため、多少の色ムラや生産過程で生じる傷が多少ある場合がございます」。これは不良ではなく本革の仕様です。合皮の均一さに慣れていると気になるかもしれませんが、履き込むほどこの個体差が味に変わります。均一な白を保ちたい人には、むしろ13,200円クラスのほうが合います。
19,800円のLUXは何にお金を払うことになるのか
スタンスミス LUX HQ6787は19,800円(税込)。素材欄は「天然皮革」、ソールはゴム底です。ABC-MART公式通販の商品説明は「アディダスのスタンスミスは、50年前にテニスコートでデビューしてから、世界中にその人気が広まり、すっかり定着した。このバージョンは、この象徴的なレザースニーカーを、そのままの形で再現したもの」というもの。復刻の忠実さが売りの位置づけです。
サイズ展開は22cmから29cmまでの0.5cm刻みと30cm。ただし確認した時点で購入できたのは2サイズだけでした。在庫の薄さが最大のハードルで、「欲しいときに欲しいサイズがある」とは限りません。カラー違いのHP2201、HQ6785を含めて探すのが現実的です。
価格に見合うかどうかは、何を求めるかで割れます。素材欄の表記だけを見れば、15,400円(税込)のJH7427も同じ「天然皮革」です。上乗せぶんはディテールの再現度とライニングの仕上げに払っている、と考えるのが妥当です。とにかく本革であればいい、という目的なら、LUXを待つよりJH7427を確保するほうが合理的です。
コラボ枠も本革。ただしサイズ展開に注意
スタンスミス リバティ ロンドン KK2762は14,300円(税込)で、素材欄は「天然皮革・人工皮革(=合成皮革)」。リバティの花柄をあしらったABC-MART先行のコラボモデルです。定番の白では物足りない人の受け皿になります。
ただしサイズ展開が22cmから27cmまでと短く、確認時点で購入できたのは8サイズでした。足のサイズが27.5cm以上の人は最初から対象外になります。コラボモデルはレディース寄りのサイズ設定になることが多いので、価格より先にサイズ表を見るのが順番です。
同じ「本革が入っている」枠でも、KK1304のABC-MART限定モデル(13,200円・税込)は「滑らかなレザーアッパーをあしらい、オールホワイトでまとめたクリーンなデザイン」とされ、パンチング加工のスリーストライプスとラバーカップソールを備えます。柄物が苦手なら、こちらのほうが合わせやすい一足です。
| 品番 | 素材欄の表記 | 価格(税込) | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| LUX HQ6787 | 天然皮革 | 19,800円 | オリジナルの再現度を求める人 |
| JH7427 / JI3379 | 天然皮革 | 15,400円 | 本革を育てたい人 |
| リバティ ロンドン KK2762 | 天然皮革・人工皮革(=合成皮革) | 14,300円 | 柄で個性を出したい人 |
| M20324 / M20327 / S75104 / F36575 | 天然皮革/合成皮革 | 13,200円 | 手入れは最小限で普段履きしたい人 |
サイズ感は「小さめ」表記をどう読むかで決まる
公式のサイズ目安は男女で書き分けられている
ABC-MART公式通販のスタンスミスの商品ページには、こう書かれています。「女性の方:このシューズの作りは標準です。幅広・甲高の方は0.5cm上のサイズをおすすめします。男性の方:このシューズの作りは小さめです。0.5cm上のサイズをおすすめします。」M20324、M20327、F36575のいずれにも同じ目安が入っています。
読み方のポイントは、男性向けだけが「小さめ」とされている点です。同じ靴でも、足の甲の高さや幅の平均が違うため、感じ方が分かれます。普段27.0cmを履いている男性なら27.5cm、女性で幅広・甲高の自覚がある人も0.5cm上、それ以外の女性は表示どおり、というのが公式の目安ということになります。
ただしこれは目安であって、個人差があると商品ページ自身が断っています。スタンスミスは細身のカップソールで足幅の逃げが少ないモデルなので、足囲が大きい人ほど0.5cm上げの効果が出ます。逆に細い足で0.5cm上げるとかかとが浮きます。試着できるなら夕方に、両足で履くのが基本です。
本革は伸びる、合皮は伸びない。これが選び方を変える
本革と合皮でサイズ選びの考え方が変わる理由は、履き込んだあとの変化にあります。天然皮革は足の形に合わせて伸びるので、最初にややきつく感じても、履くうちに甲まわりがなじみます。一方、合成皮革は基布に樹脂を塗った構造なので、伸びる余地がほとんどありません。
つまり、素材欄が「天然皮革」だけのJH7427やLUXは、ジャストか、指1本分の余裕がある程度で合わせておくと、後からちょうどよくなります。素材欄に合成皮革が混ざるM20324やS75104は、最初の履き心地がほぼそのまま続くと考えて、買った瞬間の感覚で決めたほうが失敗しません。
注意したいのは「伸びるから小さめでいい」という考え方です。革が伸びるのは幅方向が中心で、つま先の余裕(捨て寸)は増えません。長さが足りない状態で買うと、爪先が当たり続けることになります。伸びを当てにしていいのは幅だけ、と覚えてください。
モデルによってサイズ展開そのものが違う
意外と見落とされるのが、同じスタンスミスでも品番ごとにサイズの上限・下限が違うことです。M20324は22cmから29cmまでの0.5cm刻みに加えて30cm・31cmまで設定があります。LUX HQ6787とJH7427は22cmから29cmまでの0.5cm刻みと30cm。リバティ ロンドンKK2762は22cmから27cmまでです。
足が大きい人ほど、この差が選択肢を直接削ります。29cm以上が必要なら、実質的にM20324系のグループが中心になります。逆に22cm前後の小さいサイズは、どのモデルにも設定があるので選びやすい状況です。
もうひとつの落とし穴が、29.5cmの扱いです。確認したモデルでは29cmの次が30cmになっており、29.5cmの設定がありません。29cm台後半の足の人は、29cmか30cmのどちらかで妥協することになります。この場合は、伸びる本革モデルで29cmを選ぶか、余裕を取って30cmで中敷きを足すか、という判断になります。アディダス全体のサイズ傾向はモデルごとにかなり違うので、他モデルと比べたい人は次の記事も参考にしてください。

「アディダスはいつも27.0cmで買っているのに、今回のモデルだけ小指が当たる」——売り場でいちばん多いのがこの相談です。同じブランド、同じ表記サイズなのに、履…
通販で決めるなら、素材欄・品番・サイズ展開の順で見る
通販で失敗しないための確認順は決まっています。まず「素材」欄で天然皮革の有無を見る。次に「メーカー品番」を控える。最後にサイズ展開を見て、自分のサイズが設定にあるかを確認する。この3点が揃って初めて、価格を比べる意味が出ます。
特に品番は重要です。同じ「STAN SMITH」という商品名でも、M20324とJH7427では素材欄が違います。レビューを読むときも、品番が一致していない口コミは参考になりません。「サイズが小さかった」という感想が、合皮版のものか本革版のものかで意味が変わるからです。
ショップ横断で比べる場合は、品番で検索するのがいちばん速い方法になります。ABC-MART公式通販のJH7427の商品ページのように、素材欄と品番が両方載っているページを基準にすると判断がぶれません。
通販でサイズを決めるときは「品番のサイズ展開」→「公式のサイズ目安」→「素材(伸びるかどうか)」の順で確認してください。素材を先に見ずにサイズだけ決めると、本革モデルで0.5cm上げてしまい、なじんだ頃にぶかぶかになります。
本革だからこそ起きるトラブルと、その防ぎ方
雨に濡れたあとの扱いで寿命が決まる
天然皮革の弱点は水です。濡れると革の中の油分が水と一緒に抜け、乾いたあとに硬くなって白い輪ジミが残ります。合皮版なら表面を拭けば済む場面でも、本革版はそうはいきません。防水スプレーを履く前にかけておく、というひと手間が前提の靴だと考えてください。
濡れてしまった場合の手順はシンプルです。まず乾いた布で表面の水を吸い取る。次に中に新聞紙や乾いた布を詰めて形を保つ。そして風通しのよい日陰で乾かす。ドライヤーの温風や直射日光は、革を急速に乾燥させてひび割れの原因になります。完全に乾いてから、クリームで油分を戻します。
ありがちな失敗が、濡れた靴を玄関にそのまま放置して翌朝また履くパターンです。革が濡れたまま圧力がかかると、シワが深く固定されて元に戻りません。乾かす日を作れないほど毎日履くなら、本革版を2足でローテーションするか、素材欄に合成皮革が入るモデルを選ぶほうが現実的です。
白い革の汚れ落としは「往復させない」が鉄則
白のスタンスミスで多いのが、つま先やサイドの黒ずみです。ミスターミニット公式ブログのレザースニーカーの手入れ手順では、まずクロスで表面のホコリを除去し、汚れ落としムース(同ブログの表示で税別1,300円)を柔らかいクロスに少量なじませて拭く、という流れが紹介されています。
頑固な汚れには、少量の水を含ませたメラミンスポンジを使いますが、ここに大きな落とし穴があります。同ブログは、一方向のみで擦り、往復しないことを条件として挙げています。メラミンスポンジは研磨力が強く、往復させると革の表面の仕上げ層まで削ってしまうためです。削れた部分は色が抜け、あとからクリームを塗っても戻りません。
ソール脇の革の切断面(コバ)の汚れには、サンドペーパー(400番推奨)で削り落とす方法が挙げられています。切断面にクリーナーを使うと、汚れをより奥に浸透・定着させてしまうため避けるとのことです。手順の詳細はミスターミニット公式ブログで確認できます。自分でやるのが不安なら、同社の靴磨きサービスは1,100円(税込)から3,300円(税込)の範囲で案内されています。

白くて清潔感のあるスタンスミスは、履くほどに汚れが目立ってくるのが悩みどころです。「そろそろ洗いたいけれど、丸ごと水洗いしていいの?」「黄ばんできたけど元に戻せ…
クリームは「塗る量」より「塗る間隔」で考える
本革を長持ちさせるには油分の補給が要りますが、塗りすぎると逆効果です。革の表面に余分なクリームが残ると、ホコリを吸着して黒ずみの原因になります。白いスタンスミスでは、この黒ずみがそのまま見た目に出ます。
目安としては、履いた回数で決めるのが管理しやすい方法です。週2〜3回履くなら月1回、毎日履くなら2週間に1回。ブラシでホコリを落としてから、薄く塗って乾いた布で拭き取る。これだけで乾燥によるひび割れはかなり防げます。色付きクリームを使う場合は、白革には白か無色を選んでください。
合皮が混ざるモデル(素材欄が「天然皮革/合成皮革」のもの)では、そもそもクリームの吸い込みが部位で違います。合皮部分にはクリームが乗らず、テカりだけが残ることがあるので、全体に塗るより革部分だけを狙って塗るのが無難です。ミスターミニットも、合皮・人工皮革の場合は異なる手入れが必要だと注記しています。素材別の洗い方は次の記事にまとめています。

お気に入りのレザースニーカーが、いつの間にか黒ずんだり、つま先に汗ジミが出てきたり。「そろそろ洗いたいけど、革だから水洗いしていいのか分からない」と手が止まって…
本革と合皮、あなたにはどちらが向いているか
通勤・オフィスカジュアルなら本革100%が扱いやすい
スニーカー通勤が認められている職場で足元をきれいに見せたいなら、素材欄が「天然皮革」だけのJH7427(15,400円・税込)やLUX HQ6787(19,800円・税込)が向いています。理由は単純で、革はクリームを塗ればツヤが戻るからです。合皮は表面の樹脂層が劣化すると回復手段がありません。
スラックスやジャケットと合わせたときの見え方も違います。本革は光を吸って落ち着いた反射になり、合皮はやや均一に光ります。近くで見ると差が出るので、人と近い距離で仕事をする職種ほど本革が効きます。
注意点は、オールホワイトの本革は汚れが目立ちやすいこと。通勤で毎日履くなら、M20327のようなオールブラックか、ヒールタブに色が入るJH7427(FTWR/WOND/CORE)のように汚れが散るカラーを選ぶと管理が楽になります。
実は、雨の日メインなら合皮版のほうが理にかなっている
「本革のほうが上位」という前提は、使い方によってはひっくり返ります。意外と知られていませんが、通勤で雨に当たる日が多い人や、子どもの送り迎えで泥はねを避けられない人にとっては、合皮版のほうが合理的です。アッパーがPUコーティングを施したリサイクルポリエステルなら、水を吸い込まず、拭けば汚れが落ちます。クリームによる油分補給も不要です。
アディダスが合皮版を出したのは環境方針が理由ですが、結果として「手入れをしない人向けの選択肢」が公式ラインとして用意されたことになります。本革を買って手入れをせず、数年でひび割れさせるより、合皮版を気楽に履き替えるほうが満足度は高くなります。
もちろん弱点もあります。合皮は伸びないので足の形になじまず、当たる場所は最後まで当たります。また樹脂層は経年で硬化していくため、育てる楽しみはありません。「靴に手をかけたくない」と自覚がある人だけが選ぶべき、というのが正直なところです。
長く育てたいなら、買う前に手入れ道具まで決めておく
本革を選ぶ人に伝えたいのは、靴と一緒に道具を決めてしまうことです。最低限そろえるのは、ホコリを落とすブラシ、汚れ落とし、白または無色のクリーム、拭き取り用の布の4点。買った日に一度クリームを入れて、防水スプレーをかけてから履き始めると、初期の汚れの入り方が変わります。
費用面では、ミスターミニットの汚れ落としムースが税別1,300円といった水準です。自分でやる時間がない月は、靴磨きサービスの1,100円(税込)から3,300円(税込)に頼るという使い分けもできます。年に数回でも専門店に出すと、自分では落とせないコバの汚れまでリセットされます。
逆に、道具をそろえる気がない段階で19,800円(税込)のLUXを買うのは、順番が逆になります。まず13,200円(税込)のM20324あたりで白いレザースニーカーの管理に慣れて、続きそうなら本革100%に上げる。この順番なら失敗の授業料が小さくて済みます。
中古や並行輸入で探すなら、品番と素材表示が命綱
本革のスタンスミスを探していると、フリマアプリや並行輸入の出品にたどり着くことがあります。ここで頼りになるのは品番と、靴の内側にある家庭用品品質表示法にもとづく表示だけです。出品写真にタグが写っていない場合、品番だけで素材を推定することになります。
この記事で扱った範囲でいえば、M20324・M20327・S75104・F36575は「天然皮革/合成皮革」、JH7427・JI3379・HQ6787は「天然皮革」、KK1304・KK2762は「天然皮革・人工皮革(=合成皮革)」がABC-MART公式通販での表示でした。品番が一致していれば、素材の当たりはつきます。
ただし、正規品かどうかを写真だけで見分けられると考えるのは危険です。タグの書体やソールの刻印で判断できるという情報が出回っていますが、確実な判定方法にはなりません。素材と状態を確実に確認したいなら、価格が上がっても正規取扱店の新品を選ぶのが結局は近道です。
| 使い方 | おすすめの素材・品番 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| スニーカー通勤・きれいめ | 天然皮革のみ/JH7427 | 15,400円 |
| オリジナルの形にこだわる | 天然皮革のみ/LUX HQ6787 | 19,800円 |
| 雨の日・手入れをしたくない | 天然皮革/合成皮革/M20324 | 13,200円 |
| 柄で差をつけたい | 天然皮革・人工皮革/KK2762 | 14,300円 |
まとめ:スタンスミスの本革は「素材欄」で選べば失敗しない
スタンスミスをめぐる「本革がなくなった」という話は、2020年12月にアディダスが動物由来素材を使わないモデルを標準化したことから始まりました。実際に起きたのは全廃ではなく住み分けで、合皮版が標準ラインに、本革版が上の価格帯に移った、というのが正確なところです。ABC-MART公式通販で素材欄を1つずつ確認すれば、13,200円(税込)から19,800円(税込)まで、本革が入ったモデルが複数並んでいることがわかります。最初の一歩としては、自分のサイズが揃っている品番を1つ決めて、その商品ページの素材欄をスクリーンショットで残しておくことをおすすめします。あとから比較するときに、記憶ではなく表示で判断できるようになります。
※価格・在庫・サイズ展開は変動します。購入前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

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