「オリエンタルシューズ」と検索して、ここにたどり着いた方の多くは同じところで止まっています。会社名なのかブランド名なのか、どこの国の靴なのか、そして自分の足に合うサイズをどう選べばいいのか。検索結果には奈良の工場の話と、革靴好きのレビューと、通販サイトが入り混じっていて、全体像がつかめないままです。
先に結論をお伝えします。オリエンタルシューズは、奈良県大和郡山市に本社と自社工場を構える日本の靴メーカーです。創業は1947年8月、会社の設立は1957年8月。その自社ブランドのひとつが、革靴好きのあいだで名前が挙がる「ORIENTAL(オリエンタル)」で、2016年に始動しました。つまり、会社の名前とブランドの名前が近いだけで、同じものを指していません。ここを分けて理解すると、情報が一気に整理されます。
そしてもうひとつ、買う前に必ず知っておきたい落とし穴があります。ORIENTALの靴はモデルによってサイズ表記がUKとUSで分かれていて、同じ「6.0」でも0.5cm変わります。この記事では、会社とブランドの関係、看板である製法、9種類あるラスト(木型)の選び分け、現行モデルの価格レンジ、そして買える場所までを、公式サイトの情報だけを根拠に順番に整理していきます。
・オリエンタルシューズ(会社)とORIENTAL(ブランド)の違いと、6つの自社ブランドの顔ぶれ
・看板の「グッドイヤーマッケイ製法」が何をしている製法なのか
・UK表記とUS表記が混在するサイズの読み解き方と、ラスト9種類の選び分け
・現行モデルの価格レンジと、買える場所・2026年8月17日の価格改定
オリエンタルシューズとは?奈良・大和郡山で1947年から続く靴づくり

創業1947年、設立1957年。「会社名」と「ブランド名」を分けて考える
オリエンタルシューズ株式会社は、創業が1947年8月、会社としての設立が1957年8月と公式の会社概要に記載されています。事業内容はメンズシューズ・レディースシューズの企画・製造・輸入・販売。本社と本社工場は奈良県大和郡山市にあり、そのほかに関東営業所(東京都台東区)と青山オフィス(東京都港区)を構えています。代表取締役会長は松本正剛氏、代表取締役社長は松本英智氏です。
ここで押さえておきたいのが、「オリエンタルシューズ」は会社の名前であって、店頭で見かける「ORIENTAL」は同社が展開する自社ブランドのひとつだという点です。検索でヒットする記事が噛み合わないように見えるのは、片方が会社の話をしていて、もう片方がブランドの話をしているからです。会社を語るときは1947年創業の奈良のメーカー、ブランドを語るときは2016年始動のレザーシューズブランド、と切り替えて読むと迷いません。
注意したいのは、創業年をブランドの歴史として語ってしまうこと。ORIENTALというブランド自体は2016年スタートで、まだ新しいブランドです。「70年以上の歴史があるブランド」という言い方は正確ではありません。長いのは会社と工場の歴史で、ブランドは若い。この組み合わせが、後で説明する価格設定にも効いてきます。
自社工場を持つメーカーだから、企画から製造まで一本でつながる
オリエンタルシューズの特徴は、奈良県大和郡山市に本社工場を自社で保有していることです。公式サイトには「手間と時間をかけてもっといい靴をつくる」という一文が掲げられ、企画から製造までを社内で回す体制がとられています。国内の革靴ブランドには、企画だけを行って製造は他社工場に委託する形も多いなかで、工場を持つメーカーが自社ブランドを出しているという構図です。
これが効いてくるのは、木型(ラスト)の話です。既製靴の履き心地はほぼ木型で決まりますが、木型を何種類も用意して、モデルごとに使い分けるにはコストがかかります。ORIENTALのラストガイドには9種類のラストが掲載されており、甲の高さ違いで3タイプ用意されているシリーズもあります。この作り分けは、工場を持っているからこそ回せる設計だと読めます。
環境面の取り組みも公式に記載があります。「健康で美しい暮らしに貢献する」というスローガンのもと、水性糊の採用と、日本エコレザー基準(JES)に適合したエコレザーの使用を推進しているとのこと。革靴を長く履くという選択自体がサステナブルな面を持ちますが、製造側の材料まで踏み込んでいるメーカーはそう多くありません。会社概要はオリエンタルシューズ公式サイトの会社概要ページで確認できます。
自社ブランドは6つ。ORIENTALだけがオリエンタルシューズではない
公式のブランドページには、自社ブランドとしてOriental、MIDFOOT、MIDFOOT ADVANCE、TOUN、YAMATOism、ORIGIOが並びます。さらに、WH、HIROSHI TSUBOUCHI、Enzo Bonafeといった取り扱いブランドも掲載されています。革靴のORIENTALだけを見ていると気づきませんが、ウォーキングシューズもスニーカーも作っている総合的な靴メーカーです。
この幅の広さは、読者にとって実用的な意味を持ちます。たとえば「奈良の国産靴を1足試したいが、いきなり7万円台は重い」という場合、同じ会社が作るTOUNのスニーカーやMIDFOOTのウォーキングシューズなら、もっと手前の価格帯から入れます。ブランドをまたいでも、作っている工場と設計思想は地続きです。
逆に気をつけたいのは、ネット上で「オリエンタルシューズ」と書かれた商品を見たとき、それがどのブランドの靴なのかを確認せずに買ってしまうこと。革靴を探していたつもりがウォーキングシューズだった、という取り違えは起こり得ます。商品名の頭にあるブランド名まで見て判断してください。国産革靴ブランド全体のなかでの位置づけを知りたい方は、こちらもあわせてどうぞ。

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ファクトリーブランド=靴の製造工場を持つメーカーが、自社の名前で立ち上げたブランドのこと。企画会社が工場に生産委託する形と違い、木型や製法の変更を工場側と直接詰められるのが強み。オリエンタルシューズのORIENTALやTOUNはこの形にあたる。
「グッドイヤーマッケイ」という一手が、履き心地と細いシルエットを両立させる
グッドイヤーウエルト製法の強みは、底を交換して履き続けられること
公式の製法解説ページによると、グッドイヤー・ウエルト製法とは「T字型になったリブテープを張り付けた中底に甲革とウエルトと呼ばれる細革を縫い付ける」製法です。同ページには「表底がすり減った時に交換しやすい」とも書かれています。つまり、ソールが減っても交換して履き続けられるのがこの製法の核心です。
ORIENTALの主力オックスフォードやローファーは、この製法で作られています。たとえばストレートチップの3109 HARTNETT、キャップトゥの3122 Cap toe oxford、ローファーの500 ALBERS、コードバンの012 plain toe Cordovanは、いずれも公式の商品ページに「グッドイヤーウェルト製法」と明記されています。5年10年と付き合う前提の設計だと読んでいいでしょう。
ただし、この製法には妥協点もあります。中底とアッパーのあいだにコルクなどの中物が入るため、下ろしたては硬く、足なじみが出るまで時間がかかります。それと、リブテープと縫い代のぶんだけ靴が厚くなる。デスクワーク中心で靴を毎日は履き替えない方だと、なじむまでの数週間が長く感じるかもしれません。
マッケイ製法の強みは、コバを張り出させない細いシルエット
一方のマッケイ製法は、公式ページでは「甲革と中底、表底を一度に縫い付けるというシンプルな製法」と説明されています。中物を挟まないぶん底が薄く、返りがよく、そして何よりコバ(アッパーの外側にはみ出したソールの縁)が張り出しません。結果として、靴全体が細く見えます。
この違いは、スラックスの裾から覗いたときの印象に直結します。コバが張り出した靴はどっしり見え、絞られた靴はすっきり見える。細身のパンツを履く方や、ジャケットスタイルに合わせたい方は、この差を無視できません。ORIENTALがドレス寄りのモデルで細いシルエットを出せているのは、この製法を持っているからです。
弱点は、ソール交換の自由度がグッドイヤーウエルトほど高くないこと。縫い方が違うため、修理店によって対応の可否や工賃が変わります。買う前に、購入店や修理店に「この製法でオールソールできますか」と確認しておくと安心です。ソールの種類ごとの寿命や張り替えの考え方は、こちらで整理しています。

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前半グッドイヤー・後半マッケイ。両取りを狙ったのが看板製法
ORIENTALの看板として語られるのが「グッドイヤー・マッケイ製法」です。公式の製法ページには、「ボールジョイント(足指の付け根)からつま先までの前半部分はグッドイヤー製法を、ボールジョイントから踵にかけての後半部分はマッケイ製法を採用」した組み合わせだと明記されています。足の前半分と後ろ半分で、違う縫い方をしているわけです。
狙いは明快です。体重が乗って屈曲する前足部にはグッドイヤーの構造を使って足なじみと耐久性を確保し、シルエットを左右する土踏まずから踵にかけてはマッケイでコバを絞る。「履き心地は取りたいが、靴が野暮ったくなるのは避けたい」という要求に、構造で答えた設計です。
この製法を採用しているモデルかどうかは、商品ページの表記で確認できます。同じORIENTALでも全モデルが同じ製法ではなく、公式の製法ページにはグッドイヤー・マッケイ、グッドイヤー・ウエルト、マッケイ、ステッチダウン、プラット、セメント、ボロネーゼの7種類が並んでいます。「ORIENTALならグッドイヤーマッケイ」と思い込んで注文すると、届いた靴が別の製法だった、ということが起こります。詳しくは公式サイトの製法解説ページを確認してください。
実は「グッドイヤーだから格上」ではない。セメント製法の使いどころ
意外と知られていないのですが、ORIENTALのラインナップで最初の1足に選びやすいモデルには、セメント製法のものが含まれます。001 Unlined plain toe(51,700円)と520 Plain loafer(51,700円)は、公式の商品ページにセメント製法と記載されています。革靴の世界では「グッドイヤー>マッケイ>セメント」という序列で語られがちですが、実際は用途で選ぶものです。
セメント製法は縫わずに接着で組む方式のため、軽く、返りがよく、下ろした日から曲がります。001はアンライニング(裏地なし)で、ソールはシングルレザーにハーフラバーを貼った仕様。革靴のガチガチな履き始めが苦手な方や、はじめての国産革靴として様子を見たい方には、むしろこちらのほうが噛み合います。
もちろん妥協点はあります。接着で組む以上、グッドイヤーウエルトのようなソール交換前提の設計ではありません。ヒールの交換はできても、オールソールとなると条件が変わります。10年履き継ぐ相棒を探しているならグッドイヤーウエルトのモデル、まず1足試して合うかどうか確かめたいならセメント製法のモデル。この線引きで選べば後悔しにくくなります。
買う前の最大の関門は、UK表記とUS表記が混在していること

同じ「6.0」でも0.5cm変わる。まず表記を確認する
ORIENTALの通販でいちばん事故が起きやすいのが、ここです。公式オンラインショップの3109 HARTNETTの商品ページには、サイズ選択肢がUK5.0(23.5cm)〜UK9.5(28.0cm)と並び、「UK表記です。US表記と比べ0.5cmサイズ換算が変わります」という注意書きが添えられています。一方、3122 Cap toe oxfordはUS5.5(23.5cm)〜US9.0(27.0cm)、012 plain toe CordovanはUS6.0(24.0cm)〜US9.5(27.5cm)です。
整理すると、23.5cmに当たるのはUK5.0でありUS5.5。24.0cmに当たるのはUK5.5でありUS6.0。同じ数字を見ていても、UKかUSかで0.5cmずれます。ブランド公式の表示がモデルごとに違うので、「前に買ったモデルと同じ数字」で注文すると足を痛める可能性があります。
対策はシンプルで、数字ではなくcm表記のほうを基準にすることです。ORIENTALの商品ページはサイズ選択肢にcmが併記されているので、UK・USの数字は無視して、cmだけを見て選べば取り違えは起きません。実店舗で足入れするときも、店員さんに「これはcmでいくつですか」と聞いておくと、あとで通販に切り替えるときに役立ちます。
ユニセックスモデルはメンズ表記とレディース表記でも0.5cm動く
もう一段ややこしいのが、ユニセックス展開のモデルです。500 ALBERSの商品ページでは、US3.0がメンズ21.0cm/レディース21.5cm、US9.5がメンズ27.5cm/レディース28.0cmというように、同じUSサイズにメンズとレディースの2つのcmが割り当てられています。520 Plain loaferも同様に、US4.0〜US9.5でメンズ22.0〜28.0cm、レディース22.5〜28.0cmという表示です。
これは、同じ木型でも男女で足入れの前提が違うためにとられている表記です。読者としてやるべきことは、自分の性別欄のcmを読むこと。それだけです。レディースの欄だけを見て「US6.0は24.5cm」と覚えてしまい、メンズの靴を買うときにそのまま当てはめると、0.5cm大きい靴が届きます。
21.0cmから28.0cmまでカバーしているのは、選ぶ側にとって大きな利点でもあります。国産の革靴ブランドでも、22.0cm以下や27.5cm以上を用意していないことは珍しくありません。足が小さめ・大きめでサイズに困ってきた方は、ここを起点に候補を組み直す価値があります。なお、革靴はスニーカーより小さい数字になるのが一般的なので、スニーカーのサイズをそのまま持ち込まないでください。
【失敗パターン1】数字だけ合わせて注文し、0.5cm小さい靴が届く
起きやすいのはこういう流れです。店頭でORIENTALのストレートチップを試着して「7.0がちょうどよかった」と記憶する。後日、公式オンラインショップで別のモデルを7.0で注文する。ところが店頭で合わせたモデルはUK表記で7.0=25.5cm、注文したモデルはUS表記で7.0=25.0cm。0.5cm小さい靴が届く、というパターンです。
原因は「7.0」という数字を足のサイズだと思い込んだこと。UKとUSは別の物差しであり、ブランド内でも統一されていない場合があるという前提が抜けています。しかも革靴は0.5cmの差が捨て寸と甲の圧迫に直結するので、スニーカーの感覚で「まあ履けるだろう」とは言いにくい差です。
対策は3つ。①注文画面のcm表記をスクリーンショットで残す、②手持ちの革靴の実寸cmを1足メモしておき常に比較する、③迷ったら購入前に問い合わせる。特に③は有効で、公式のファクトリーショップや取扱店では、木型ごとの傾向を踏まえたサイズ相談に応じてもらえます。返品送料と時間を考えれば、事前の一報が最短です。
ORIENTALはモデルによってサイズ表記がUKとUSで分かれています。UK5.5=US6.0=24.0cmという関係になるため、数字だけで判断せず必ずcm表記で確認を。ユニセックスモデルは同じUSサイズにメンズ・レディースで別のcmが割り当てられている点にも注意してください。
ラスト(木型)は9種類。自分の足に合う1つをどう見つけるか
基準にすべきは7965。ここから他のラストとの差を測る
公式のラストガイドで最初に挙げられているのが#7965です。「丸すぎず細すぎず、長すぎず短すぎないバランス」を追求したエレガントラストとされ、全長・ボールガース(指の付け根周り)・インステップガース(甲周り)・ヒールカップが標準的な寸法で設計されています。ワイズはE。該当モデルは3109と9200です。
このラストが重要なのは、他のラストを判断するときの物差しになるからです。ラストガイドでも、7965のモデルを一度でも足に通した人は、それを基準に他ラストを判断するのが有効だと案内されています。逆に言えば、ORIENTALで最初の1足を選ぶなら、7965を使った3109系から入るのが遠回りしにくいということです。
注意点は踵まわり。公式の記載では、7965は踵が小さめに設計されています。踵が大きい足型の方は、履き口の食い込みや脱ぎ履きのしにくさを感じる可能性があります。試着できる環境があるなら、つま先の余裕だけでなく、踵に指が入るかどうかまで確かめてください。
808系は甲の高さで3種類。足の厚みで選び分ける
#808系は、ORIENTALの代表的なラウンドトゥです。足指周りはゆったり、踵周りは絞るという設計で、甲の高さ違いで3タイプが用意されています。808は薄めで華奢な足型向けに甲を低く、808LOはローファー仕様で外側のボリュームを調整しつつ甲は低め、808HIは標準〜甲高の足型向けに甲を高く設計。いずれもワイズはEで、該当モデルは009、800、700です。
甲の高さで木型を3つに割っているブランドは多くありません。革靴で「幅は合うのに甲が当たる」「紐を締めても甲が余る」という悩みを抱えてきた方には、ここが刺さります。甲高・甲薄は靴ずれと直結する部分なので、幅(ワイズ)だけでサイズを判断してきた方は、この軸を追加してみてください。
実際の当てはめ方はこうです。手持ちの革靴で羽根(紐を通す部分)がぴったり閉じてしまう、あるいは閉じきらないという方は甲高寄り、紐をきつく締めても羽根が大きく開いたままの方は甲薄寄り。前者なら808HI、後者なら808を候補にする。コードバンの012 plain toe Cordovanは808HIを使っており、標準〜甲高の足型向けという位置づけです。
幅で困ってきたなら715、細い足なら7950と407
ワイズで悩んできた方が最初に見るべきは#715です。公式ラストガイドで唯一ワイズEEと記載されており、やや丸みを帯びたシルエットで、ORIENTALのなかではゆったりした設計とされています。甲が標準〜高めの足型向けで、踵はやや小さめ。該当モデルは3122です。甲低・華奢な方は市販のタンパッドや中敷で調整できる、という案内も添えられています。
逆に足が薄く細い方に向くのが#7950です。1950年代の靴を彷彿とさせる大振りなスクエアトゥで、全体的に絞り込んだタイト設計。ワイズはDとEの2種類が記載されています。ここで見落とせないのが、標準的な足型の方には通常より1サイズ大きいサイズが推奨されている点。デザインに惹かれて普段どおりのサイズで注文すると、きつくて履けないという事態になりかねません。
レディース向けには#407があります。イギリス靴の設計をベースにしたエッグトゥラストで、ワイズはD、該当モデルは750。マニッシュなデザインを求める方向けの位置づけです。このほか、スリッポン用に甲を低くした#GINZA、ショートノーズローファーの#419と#1001、前足部の押さえを効かせた#1216、セミスクエアの#1206があり、選択肢は9種類。詳細はORIENTAL公式のラストガイドで確認できます。
ラスト3種の性格を並べて比べる
| 項目 | #7965 | #715 | #7950 |
|---|---|---|---|
| ワイズ(足幅) | E | EE | D・E |
| トゥの形 | 丸すぎず細すぎずのバランス型 | やや丸みを帯びたシルエット | 大振りなスクエアトゥ |
| 向く足型 | 標準的な足型全般(踵は小さめ設計) | 甲が標準〜高め・幅で困ってきた足 | 薄くて華奢な足型 |
| サイズの目安 | 基準にできる木型 | 甲低の方はタンパッドで調整 | 標準の足型は1サイズ上げ推奨 |
| 該当モデル | 3109、9200 | 3122 | 8300、8500、8000 |

| サイズ展開 | UK5.0(23.5cm)〜UK9.5(28.0cm)/0.5cm刻み |
| ワイズ(足幅) | E(ラスト7965) |
| 素材・製法 | アッパー ボックスカーフ/シングルレザーソール/グッドイヤーウェルト製法/日本製 |
| 価格 | 71,500円(公式オンラインショップ) |
現行ラインナップを価格順に並べると、ブランドの狙いが見えてくる
入口は51,700円。セメント製法の2足が最初の1足を担う
公式オンラインショップの現行ラインナップで、革靴として最も手前にあるのが001 Unlined plain toeと520 Plain loaferで、どちらも51,700円です。001はソフトグレインレザーのアンライニング仕様、520はイタリア産ソフトカーフに薄くやわらかいシープスキンのライニングという構成。どちらもソールはシングルレザーにハーフラバーを組み合わせ、製法はセメント製法です。
この2足の役割は明確で、「革靴は硬くて痛い」という先入観を外すことにあります。アンライニングの001は裏地がないぶん足に沿いやすく、ハーフラバーのおかげで雨の日の滑りも抑えられます。520はサドル部の窓を省いたラウンドトゥのプレーンローファーで、無機質で端正な見た目が特徴。ジーンズにもスラックスにも振れる形です。
妥協点は先に触れたとおり、ソール交換前提の構造ではないこと。それと001はアンライニングゆえに、汗をかく季節は革が直接足に触れるぶん、色移りやシミに気を配る必要があります。防水スプレーとシューキーパーはセットで用意しておきたいところです。
主力は71,500円のグッドイヤーウェルト勢。ボックスカーフが基準素材
ORIENTALの中心価格帯は71,500円です。ストレートチップの3109 HARTNETT、キャップトゥの3122 Cap toe oxford、ローファーの500 ALBERS、タッセルローファーの552 Tassel loaferがここに並びます。3109と500はボックスカーフ、3122はヨーロッパ産のボックスカーフで、いずれもシングルレザーソール、グッドイヤーウェルト製法、日本製という構成です。
ボックスカーフは生後6か月以内の仔牛の革をクロムなめしし、銀面(表面)を磨き上げた革で、革靴のドレス素材として定番の位置にあります。きめが細かく、履き込むほどに落ち着いた艶が出る素材です。この素材を71,500円という価格で、国内自社工場のグッドイヤーウェルトに載せてくるところが、ORIENTALの立ち位置を物語っています。ボックスカーフそのものについては、こちらで詳しく解説しています。

革靴を選んでいると、商品説明でよく見かける「ボックスカーフ」という言葉。なんとなく“高級な革”というイメージはあっても、普通のカーフと何が違うのか、なぜ最高級と…
選び分けの軸は木型です。標準的な足型で万能に使いたいなら7965の3109 HARTNETT、幅で困ってきたならEEの715を使う3122、ローファーで足元をコンパクトに見せたいなら419の500 ALBERS。同じ価格でも、狙う足型とシルエットがまるで違います。なお500 ALBERSには、より返りを重視した500 ALBERS flex(68,200円)も用意されています。
上は104,500円のコードバン。下は39,600円のサンダルまで
ラインナップの上限にあるのが012 plain toe Cordovanで、104,500円。アッパーは新喜皮革のSIN CORDOVAN(日本製)で、Black・Dark oak・Cognac・Burgundyの4色展開です。木型は808HI、ワイズE、サイズはUS6.0(24.0cm)〜US9.5(27.5cm)。国産コードバンを国産グッドイヤーウェルトで組んだ、ブランドの旗艦にあたる1足です。
反対の端には、004 Setta sandal(39,600円)があります。ほかにも510 Rugged moccasin(60,500円)といったカジュアル寄りのモデルがあり、革靴一辺倒ではありません。取扱店のトレーディングポスト オンラインショップでは、サイドゴアブーツやUチップも扱われており、掲載価格は74,800円程度から96,800円程度と幅があります(取扱店価格のため変動します)。
この価格の広がりから読み取れるのは、「革靴をもっと日常に」というブランドのスローガンが、単なる言葉ではなく品揃えとして実装されているということです。まず39,600円のサンダルや51,700円のプレーントゥで入り、気に入れば71,500円の主力へ、最後に104,500円のコードバンへ。段階を踏める構造になっています。
| 項目 | 001 Unlined plain toe | 3109 HARTNETT | 012 plain toe Cordovan |
|---|---|---|---|
| 価格(税込) | 51,700円 | 71,500円 | 104,500円 |
| アッパー | ソフトグレインレザー | ボックスカーフ | コードバン(新喜皮革 SIN CORDOVAN) |
| 製法 | セメント製法 | グッドイヤーウェルト製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
| ラスト/ワイズ | 1001/表記なし | 7965/E | 808HI/E |
| サイズ展開 | US3.5〜US9.0(メンズ21.5〜27.0cm) | UK5.0〜UK9.5(23.5〜28.0cm) | US6.0〜US9.5(24.0〜27.5cm) |
ORIENTALだけじゃない。TOUNとMIDFOOTという別の顔
TOUNは奈良発の「New nostalgic」スニーカー
TOUNは、オリエンタルシューズが手がけるスニーカーブランドです。公式ページには「連綿と続く時の流れから学び、新しいものを生み出す『New nostalgic』」というコンセプトが掲げられ、奈良でデザイン・製造されていると記載されています。モデル名はThree、Five、Seven、One、Runnerとシンプルで、価格帯は24,200円から27,500円です。
革靴のORIENTALが7万円台を主戦場にしているのに対し、TOUNは2万円台。同じ工場の設計思想で作られた靴を、もう少し手前の予算で試せる位置づけです。革靴が苦手だけれど国産の靴を履いてみたい、という方の入口になります。
注意したいのは、TOUNとORIENTALでサイズの考え方が同じとは限らないこと。スニーカーと革靴では捨て寸の設計が違うので、「ORIENTALで25.5cmだからTOUNも25.5cm」と直結させないでください。それぞれの商品ページのサイズ表記を、その都度確認するのが確実です。
MIDFOOTは歩き方に着目したウォーキングシューズ
MIDFOOTは、「ヒト本来の歩き方へ」をコンセプトに開発されたウォーキングシューズのブランドです。公式ページによると、足裏全体での着地に誘導して踵着地のリスクを軽減する設計で、アウトソールは下駄からヒントを得ているとのこと。産学共同プロジェクトとして、関西大学の河端隆志教授が監修・協力しています。価格帯は11,000円から28,600円です。
モデルはE-Leather Classic Walk、PREMIERE COMFORT WALK、FIELD WALK W/P、DAILY-LIFE WALK、DAILY-URBAN LIFEなど。日常使いに寄せたMIDFOOT ADVANCEというラインも別に用意されており、こちらは「デザイン性が高く、日常使いができる」モデル展開と説明されています。
ここは書き方に注意が必要なところで、靴が足や膝の不調を治すわけではありません。公式に記載されているのはあくまで設計思想と機能の話です。歩行時の痛みや変形が気になる場合は、靴で解決しようとせず、まず専門医に相談してください。そのうえで日常の歩行を支える1足として検討する、という順番が安全です。
読者タイプ別、オリエンタルシューズのどこから入るか
ここまでの情報を、選ぶ側の目線で整理します。判断軸は「予算」「用途」「サイズの不安の大きさ」の3つ。予算が読めていて用途がビジネスなら革靴のORIENTAL、まず国産の靴を体験したいならTOUN、歩く量が多い日常用ならMIDFOOT、という分け方が素直です。
サイズの不安が大きい方には、試着できる場所から入ることを強くおすすめします。ORIENTALは木型の作り分けが細かいぶん、通販で当てるより店頭で足入れするほうが精度が上がります。奈良まで足を運べるならファクトリーショップ、都市部なら取扱店を探すのが近道です。
逆に、すでにORIENTALの1足を持っていて2足目を検討している方は、木型を変えてみると発見があります。7965で1足持っているなら、次は808HIか715に振ってみる。同じブランドでも足入れの印象がはっきり変わるので、自分の足がどちらに寄っているかが見えてきます。
| こんな人・シーン | 向いている選択肢 | 価格の目安 |
|---|---|---|
| スーツで毎日履く1足 | 3109 HARTNETT(ラスト7965・ワイズE) | 71,500円 |
| 幅広で革靴が痛かった人 | 3122 Cap toe oxford(ラスト715・ワイズEE) | 71,500円 |
| 革靴の硬さが苦手な人 | 001 Unlined plain toe(アンライニング) | 51,700円 |
| 私服中心・スニーカー派 | TOUN のスニーカー | 24,200円〜27,500円 |
| よく歩く日常用 | MIDFOOT / MIDFOOT ADVANCE | 11,000円〜28,600円 |
どこで買える?工場併設のショップと、2026年8月17日の価格改定
本社工場の一角にあるファクトリーショップが本丸
2023年12月2日、オリエンタルシューズの本社工場の一角に旗艦店「ORIENTAL SHOES FACTORY SHOP」がオープンしました。ORIENTAL、TOUN、MIDFOOTを中心に自社ブランドを取り扱う店舗で、営業時間は10:00〜18:00、定休日は月曜日・祝日・奇数週の日曜日です。
| 住所 | 〒639-1042 奈良県大和郡山市小泉町2475-2 |
| 電話番号 | 0743-55-1111 |
| 営業時間 | 10:00〜18:00 |
| 定休日 | 月曜日・祝日・奇数週の日曜日 |
| アクセス | JR大和小泉駅西口から徒歩20分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
ここを訪ねる価値は、木型を横断して試せることにあります。7965と715と808HIを同じ日に足入れできる環境は、そう多くありません。通販で0.5cmを悩み続けるくらいなら、一度足を運んで自分の基準を作ってしまったほうが、結果的に早く済みます。アクセスはJR大和小泉駅西口から徒歩20分、車なら西名阪自動車道の法隆寺ICから10分です。
注意点は定休日の読み方。月曜と祝日に加えて「奇数週の日曜日」が休みという変則的な設定なので、日曜に訪ねるつもりなら、その週が偶数週かどうかを確認してから出発してください。公式のファクトリーショップのページに営業カレンダーの案内があります。
オンラインショップと取扱店。在庫の動きは速い
通販で買う場合の軸になるのが、ORIENTALのブランド公式オンラインショップです。モデルごとに素材・製法・ラスト番号・サイズ展開・ワイズが一覧で書かれているので、この記事で説明した確認をそのまま実行できます。加えて、トレーディングポスト オンラインショップなどの取扱店でもORIENTALが扱われており、公式には並んでいないブーツやUチップに出会えることがあります。
ただし在庫の動きは速く、公式オンラインショップでも人気モデル・人気サイズはSOLD OUT表示になっていることがあります。500 ALBERSや3122 Cap toe oxford、012 plain toe Cordovanなど、記事執筆時点でSOLD OUTとなっているカラー・サイズもありました。狙いが決まっているなら、再入荷通知を設定しておくのが現実的です。
取扱店の価格は、公式オンラインショップと必ずしも一致しません。トレーディングポストの掲載を見ると、ローファーやプレーントゥで73,700円程度、ブーツで74,800円程度、Uチップで96,800円程度という水準です(いずれも取扱店価格で変動します)。同じモデル名でも仕様違いのことがあるので、素材とソールの記載を突き合わせてから判断してください。
2026年8月17日から一部商品が価格改定。今の表示は「今の」価格
この記事を読むタイミングによっては重要な情報です。ORIENTALの公式オンラインショップには2026年7月14日付で価格改定のお知らせが掲載されており、「材料費・輸送費等の高騰が続いており、企業努力による価格の維持は困難という状況に至りました」として、2026年8月17日より一部商品の価格を改定する予定だと案内されています。
この記事に載せている価格は、いずれも公式オンラインショップの表示を確認した時点のものです。改定後は対象商品の価格が変わるため、注文前に必ず商品ページの表示価格を見てください。「まとめ記事に書いてあった価格」で予算を組むと、決済画面で差額に驚くことになります。
そして、ここで慌てないことが大切です。改定前に駆け込みたくなる気持ちは分かりますが、サイズを妥協して買った革靴は結局履かなくなります。数千円の差額よりも、木型とサイズが合っているかどうかのほうが、支払う金額あたりの満足度をはるかに大きく左右します。
【失敗パターン2】SOLD OUT表示を「廃番」と誤解して中古に走る
もうひとつよくあるのが、公式オンラインショップでSOLD OUTを見て「このモデルはもう作っていない」と判断し、フリマアプリの中古品に飛びつくパターンです。実際には、SOLD OUTはそのカラー・そのサイズの在庫が切れているだけで、モデル自体は現行というケースが少なくありません。
この誤解が痛いのは、中古の革靴は前の持ち主の足の形に沈んだ状態で届くからです。中底とコルクは体重で沈み込むため、木型が同じでも新品とは足入れが変わります。サイズ表記が合っていても自分の足に合うとは限らない、というのが中古革靴の難しさです。
対策は、判断の前に公式の商品一覧を見ること。一覧にモデルが残っていれば、再入荷や取扱店の在庫を待てます。それでも見つからない場合は、公式サイトのお問い合わせフォームやファクトリーショップに、そのモデルが現行かどうかを直接確認するのが確実です。ひと手間ですが、51,700円から104,500円という買い物の前段としては安いコストです。
ORIENTALの公式オンラインショップでは、2026年7月14日付で「2026年8月17日より一部商品の価格を改定予定」と告知されています。この記事の価格は確認時点のもの。注文前に商品ページの表示価格を必ず確認してください。SOLD OUT表示は在庫切れであって廃番とは限らない点もあわせて。
まとめ:会社とブランドを分け、cm表記で選べば迷わない
最初の一歩としておすすめしたいのは、手持ちの革靴のなかで「いちばん快適な1足」の実寸をcmで測り、メモしておくことです。ORIENTALの商品ページはサイズ選択肢にcmが併記されているので、その数字さえ持っていればUKかUSかで迷う場面が消えます。そのうえで、幅で困ってきたなら715の3122、標準的な足型なら7965の3109、甲が高いなら808HIというように、木型から候補を絞っていってください。試着できる環境があるなら、工場併設のファクトリーショップで木型を横断して足入れするのが、遠回りに見えていちばん確実な近道です。
※価格・在庫・営業日は変動します。2026年8月17日の価格改定を含め、最新情報は公式サイトでご確認ください。

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