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コンバースをいつもより大きいサイズで買って、紐をぎゅっと締めて履く。SNSで見かけるあの足元に憧れて売り場に来る方は、ここ数年でずいぶん増えました。ただ、いざ試し履きをしてもらうと「1cm上げたら踵が抜けた」「2cm上げたら歩けなかった」と、その場で顔が曇ることも珍しくありません。
結論から言うと、コンバースのデカ履きは「何cm上げるか」より「上げた分をどこで固定するか」で決まります。オールスターはもともとワイズが細く甲が低い作りなので、上げ幅が同じでも足幅がA〜Cの人とD〜EEの人ではまったく違う結果になる。しかも2025年10月2日に約25年ぶりのリニューアルが入り、ラストそのものが変わっています。昔の「オールスターは1サイズ上」という定番アドバイスは、そのままでは使えなくなりました。
この記事では、足型別の上げ幅の目安、リニューアルで変わった点、US表記の落とし穴、デカ履きが決まるモデルの選び方、そして大きめで履くときに必ずセットでやるべき調整までを、売り場で説明している順番どおりに整理します。数値はコンバース公式オンラインショップの商品情報を基準にしています。
・足幅と甲の高さで変わる、現実的なサイズアップの目安
・2025年10月のリニューアルで何が変わり、上げ幅の判断がどう変わったか
・US表記とcm表記のズレで1サイズ間違えないための確認手順
・紐・インソール・靴下で、上げた分を「歩ける状態」に戻す方法
コンバースのデカ履きとは?いま「わざと大きめ」が選ばれる理由

大きい靴を履くことと、デカ履きは別物です
デカ履きは、単に大きいサイズを買って履くことではありません。普段より大きいサイズを選び、そのうえで紐をしっかり締め上げ、甲の羽根(シューレースホール周りのパネル)が閉じた状態を作る履き方を指します。ここが抜けると、ただ足に合っていない靴になります。
なぜ羽根を閉じるのかというと、コンバースのアッパーはキャンバスで、素材そのものに張りがないからです。ジャストサイズで履くと羽根が左右に開き、甲の上に隙間が残ります。サイズを上げて羽根を閉じきると、甲からつま先にかけての面が一枚の布としてつながり、輪郭がはっきりします。足元にボリュームが出るのに、だらしなく見えない。この状態が「デカ履きが決まっている」と言われる形です。
使いどころとしては、ストリート系・スケーター系・90年代テイスト・韓国系のコーディネートとの相性が語られることが多いスタイルです。裾幅の広いパンツやオーバーサイズのトップスと合わせると、足元だけが小さく見える問題が解消されます。逆に、細身のスラックスやきれいめのセットアップに合わせると、足元だけが浮きやすい。
注意点は、上げ幅を大きくするほど「紐を締める」作業の重要度が上がることです。デカ履きは履くたびに紐を緩めて足を入れ、締め直す前提の履き方になります。玄関で足を突っ込んですぐ出たい人には向きません。
ワイズ(足囲)=足の親指と小指の付け根まわりを一周した長さの規格。同じ26.0cmでもワイズがD/2E/4Eで靴の中の余裕はまったく違います。コンバースのオールスターはワイズが細めの設計で、足のホールドが強いと説明されることが多いモデルです。
オールスターが選ばれるのは、余白を作りにくい靴だから
デカ履きの土台としてオールスターが名指しされる理由は、この靴が細身で甲が低いからです。もともと欧米向けの足型を出発点にしているため、日本人に多い幅広・甲高の足では、ジャストの足長サイズを選ぶと横方向が先に当たります。縦は余っているのに横が窮屈、という状態が起きやすい。
そこでサイズを上げると、足長の余りと引き換えに横幅と甲の高さが確保されます。つまりコンバースにおけるサイズアップは、見た目のためだけの行為ではなく、幅を買うための現実的な手段でもあるということです。足幅がD〜EEの人には実寸+1cmという目安が紹介されており、これは見た目のためというより「幅が入る位置」を指しています。
他ブランドとの比較で言うと、同じ細身でもジャックパーセルはトゥ周りの容積がやや違い、ワンスターはオールスターより幅とつま先の余裕があるとされます。同じコンバースでもモデルによって上げ幅の正解が変わるのは、この差が理由です。
妥協点もはっきりしています。幅を得るために足長を余らせているので、靴の中で足が前後に動く余地が確実に増えます。この余地を紐と中敷きで殺さないと、後述する前すべりや踵の靴擦れにつながります。
「ダサい」と言われる場面には、共通点があります
デカ履きがダサいと言われるとき、原因はサイズアップそのものではなく、締めていないことと、全身のバランスが取れていないことに集中します。羽根が開いたまま、紐が緩んだままの状態でサイズだけ大きい靴を履くと、足元がぼやけて見えます。この状態を指して「大きい靴を履いているだけ」と評価されている、というのが実態です。
もうひとつは上下のバランスです。オーバーサイズのトップスに細身のパンツ、そこに足元だけ大きなスニーカー、という組み合わせは、シルエットの太さが上・下・足元で三段階にばらつくため、まとまりを欠きやすい。逆に、上をゆったりさせるならパンツの裾幅も確保し、足元と裾のボリュームを揃えると破綻しにくくなります。
使い分けとしては、ハイカットのほうが足首まで面が続く分、デカ履きの輪郭が作りやすい。ローカットは履き口から足が見える面積が大きく、上げ幅が大きいと甲の隙間が目立ちます。ローカットでやるなら上げ幅を控えめにする、という判断が現実的です。
ただし、この手の評価は着る人の年齢層や周囲の環境にかなり左右されます。職場や学校の空気に対して足元だけが強く出ると浮くので、迷うなら黒やブラックモノクロームのように色でボリュームを吸収させると安全側に倒せます。
何cm上げるのが正解?足型で変わるサイズアップの目安
足幅で分かれる+0.5cmと+1cm
最初に決めるのは上げ幅ではなく、自分の足幅がどちら側かです。足幅がA〜Cの細い側の人は実寸(足長)+0.5cm、足幅がD〜EEの広い側の人は実寸+1cmという目安が紹介されています。ここでいう実寸は普段買っているサイズではなく、かかとから一番長い指先までを測った長さのことです。
なぜ足幅で分かれるかというと、オールスターの窮屈さは足長ではなく足囲から出てくるからです。幅が入っていない状態で足長だけ合わせると、指の付け根が当たって痛くなり、結局サイズを上げることになります。先に幅の要件を満たすサイズを出発点にすると、上げ幅の議論が一段まともになります。
使い分けの場面としては、細身の足で見た目のボリュームだけが欲しい人は+0.5cmで十分に羽根が閉じます。幅広の人は+1cmでようやくジャストに近い履き心地になり、そこからさらに上げるかどうかが「見た目のための上げ幅」になります。同じ+1cmでも、人によって意味が違うということです。
落とし穴は、足の実寸を測らずにいつものサイズから機械的に足してしまうことです。普段履いているスニーカーがすでに大きめだった場合、そこから1cm足すと実寸+2cm近くになります。まず実寸を測る、が省略できない手順です。
| タイプ | 実寸からの上げ幅 | 仕上がりと注意点 |
|---|---|---|
| 足幅A〜C(細い) | +0.5cm | 羽根は閉じる。歩行への影響が小さい |
| 足幅D〜EE(広い) | +1cm | 幅がようやく収まる位置。ここが実質のジャスト |
| 見た目重視 | +1.0〜1.5cm | 見た目と実用の折り合いとされる幅。紐の締め直しが前提 |
| スタイル最優先 | +2cm前後 | 長時間の歩行には向かない。短時間の外出向き |

+1.5cmを超えると「見た目優先」の領域に入ります
デカ履きの上げ幅は1.0cm〜2.0cmが主流という説明が多い一方、0.5cm〜1.0cm上を薦める解説もあり、見た目と実用性の両立という観点では+1.0〜1.5cmが折り合いの付く幅として挙げられます。ばらつきがあるのは、書き手の足型と用途が違うからです。数字だけを真似ても再現しません。
+1.5cmを超えたあたりから、靴の中で足が前後に動く量が明確に増えます。ここから先は「紐を締めて固定する」だけでは足りず、中敷きや靴下で容積を埋める作業が必須になります。歩く距離が長い日には向かない、という前提で選ぶ領域です。
比較すると、+1.0cmまでは日常の移動に耐えます。通勤通学で1日履いても、紐を朝きちんと締めていれば大きな不満は出にくい。+2cmは撮影や短時間の外出のための選択で、駅の階段を急ぐ日には別の靴を用意しておいたほうが無難です。
ここでよくある失敗をひとつ。「大きいほうが楽そうだから」と+2cmを選び、踵が浮いて歩くたびに足が前に滑り、1日で親指の爪が痛くなった、というパターンです。原因は上げ幅そのものではなく、上げ幅に対して固定手段を用意しなかったこと。+2cmで行くなら、同時にインソールと厚手の靴下まで含めて予算を組むのが正解です。
28.5cmが存在しない、というサイズ展開の壁
意外と知られていないのですが、コンバースのオールスターは0.5cm刻みが最後まで続きません。リニューアルしたALL STAR OXのサイズ展開は22.0/22.5/23.0/23.5/24.0/24.5/25.0/25.5/26.0/26.5/27.0/27.5/28.0/29.0/30.0cmで、28.5cmの設定がありません。ALL STAR HIも22.0cm〜30.0cmで全15サイズという同じ構成です。
これは足の大きい人のデカ履きに直接効いてきます。普段28.0cmの人が+0.5cmを狙っても、次のサイズは29.0cmで、いきなり+1.0cmになる。上げ幅を細かく刻めない領域がある、ということです。逆に普段27.5cmの人は28.0cmという半端な上げ幅が選べます。
対処法は2つあります。ひとつは28.0cmのまま紐を緩めに通し、靴下を薄くして見た目のボリュームを出す方向。もうひとつは29.0cmを買って、インソールと厚手の靴下で0.5cm分を埋め戻す方向です。後者のほうが見た目のボリュームは出ますが、調整の手間と費用がかかります。
注意したいのは、モデルによってサイズ展開が違うことです。ALL STAR SK HIは23.0cm〜29.0cmで、30.0cmがありません。JACK PURCELL CLは4(23.0cm)〜11.5(30.0cm)で、こちらもハーフサイズがすべて揃っているわけではない点は事前に確認が必要です。
試着は夕方に。上げ幅の判断が一段正確になります
サイズを決める時間帯は、朝より夕方以降がおすすめです。足は1日の中でむくむため、朝の足で決めた上げ幅は夕方にきつく感じます。デカ履きは余裕を作る履き方なので影響が小さそうに思えますが、実際には逆で、朝の足で「ちょうど良い締まり具合」に紐を合わせると、夕方に締められなくなります。
試着時に見るべきは、立ち上がった状態でのつま先の余裕です。指先の前に指1本分ほどの余裕があるかを確認します。座ったまま判断すると体重がかからず、足が短めに出るので、必ず立って確認してください。
もうひとつ、その場で必ずやってほしいのが「紐を締めて数歩歩く」ことです。デカ履きは締めた状態が本番なので、緩い状態で判断しても意味がありません。締めたときに踵が浮くなら、その上げ幅は現状の靴下と中敷きでは支えきれていない、というサインです。
試着で持ち込む靴下も、実際に履く予定の厚みに揃えます。薄手で試して厚手で履くと、上げ幅が実質0.5cmほど目減りします。逆に厚手で試して薄手で履くと、踵が抜けます。ここを合わせるだけで、買ってからの後悔がかなり減ります。
2025年秋の刷新で、オールスターのサイズ感はどう変わったか

ラストが変わり、甲のきつさが減りました
2025年10月2日、オールスターは約25年ぶりにリニューアルされました。デザインの見た目はほぼそのままですが、中身は別物と言っていい変更が入っています。核心はラスト(木型)で、1990年代設計のラストからボールガース(足囲を測る位置)を調整し、甲部分にゆとりを設けた新設計に切り替わりました。つま先の反り上がりも抑えられています。
なぜこれがデカ履きに関係するかというと、従来の「オールスターは細いから1サイズ上げる」というアドバイスの根拠が、甲と幅のきつさだったからです。甲にゆとりが出たということは、幅を買うためのサイズアップ量が減る可能性がある、ということになります。
実務的な影響としては、以前のオールスターで+1cmが定位置だった幅広の人が、新しいALL STARでは+0.5cmで足りるケースが出てきます。逆に、見た目のボリュームを狙って上げていた人は、上げ幅を変えなくても甲の締め付けが減る分だけ履きやすくなります。
注意点は、店頭にはまだ旧仕様の在庫が残っている可能性があることです。同じ「オールスター」の名前でも中身が違うので、サイズ選びの前にどちらを手に取っているかを確認する必要があります。旧定番のCANVAS ALL STAR HI/OXは廃番に伴い生産終了となり、リニューアル後のALL STAR HI/OXが後継です。
| サイズ展開 | 22.0cm〜30.0cm(28.5cmの設定なし・全15サイズ) |
| アッパー/ソール | キャンバス/ラバー |
| インソール | オープンセル構造のウレタンフォーム/取り外し可能 |
| 軽量化 | 従来品比で片足あたり約60g軽量(26.5cm比較) |
| 価格 | 6,490円(税込) |
約60gの軽量化と、取り外せるインソール
リニューアルでもうひとつ大きいのがソールまわりです。インソールがラバースポンジからオープンセル構造のウレタンフォームに変わり、ヒール内部にもウレタンフォームが入りました。結果として、従来品比で片足あたり約60gの軽量化(26.5cm比較)を実現しています。アウトソールも溝を設けて屈曲性を上げ、ウェッジ設計で安定性を確保する構造になりました。
デカ履き視点で見て重要なのは、インソールが取り外し可能になったことです。上げ幅が大きいときの調整は「靴の中の容積を減らす」作業になるので、純正インソールを抜いて厚みのある別のインソールに入れ替えられるかどうかが、そのまま調整幅の広さになります。
比較すると、旧モデルのラバースポンジのインソールは薄く、抜いても稼げる容積が限られていました。新しい構成なら、純正を抜いてコンバース純正のカップインソールに入れ替える、という現実的な選択肢が取れます。
弱点も書いておきます。軽量化とクッション性の向上は歩きやすさに効きますが、キャンバスのアッパーが柔らかいことは変わりません。上げ幅を大きくすると、紐を締めていない状態ではやはり型が崩れます。ソールが良くなったからサイズを上げても平気、という話ではないということです。
コンバースのサイズ感そのものをモデル横断で確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

コンバースを買おうとして、サイズ表の前で手が止まった経験はありませんか。「普段は26.5cmだけど、コンバースは0.5cm上げたほうがいいと聞いた」「でも大きす…
旧モデル前提の「とりあえず1サイズ上」は通用しません
ネット上に残っているサイズ感の記事の多くは、旧ラストのオールスターを前提に書かれています。リニューアル前の定番モデルは6,380円程度で流通しており、価格帯も含めて情報が更新されていないページが混在している状態です。
その状態で「オールスターは1サイズ上が鉄則」という記述だけを持って店頭に行くと、甲にゆとりが出た新しいラストで1サイズ上を選ぶことになり、想定より緩い1足になります。特に足幅が細い側の人は、この差が踵の抜けとして出やすい。
対処はシンプルで、必ず実物を履いてから決めることです。それが難しい通販の場合は、購入するモデル名(ALL STAR HIなのか、CANVAS ALL STAR J HIなのか)を確認し、サイズ交換に対応しているショップを選ぶ。日本製のCANVAS ALL STAR J HIは17,050円と価格帯が違うので、そもそも別の靴として考えたほうが混乱しません。
注意点として、リニューアル前後で見た目の違いはソールやトゥキャップのラバーの色味程度で、写真では判別しにくい部分です。商品ページの説明文にラストやインソールの刷新が書かれているかを確認するのが、いちばん確実な見分け方になります。
US表記とcm表記のズレが、1サイズ分の事故を生む
タグの【US/JPN】は、素直な対応表ではありません
コンバースのシューズのタグには【US/JPN】のサイズが併記されています。ここで問題になるのが、USとcmの対応が均等に進まないことです。サイズチャートを見ると、24.0cmがUS5、24.5cmがUS5H、そして25.0cmがUS6Hになります。US6が飛んでいるように見える箇所があるわけです。
この飛びを知らずにUS表記だけでサイズを選ぶと、1サイズ分ずれます。デカ履きは意図的にサイズを上げる履き方なので、「上げたつもりが上がっていない」「上げすぎた」がここで起きます。海外通販や並行輸入品で買うときは特に注意が必要です。
使い分けとしては、国内の正規流通品を買うならcm表記だけを見れば十分です。US表記を見る必要があるのは、cm表記がない海外仕様の箱や、フリマアプリの出品写真からサイズを判断するときに限られます。
落とし穴として、日本サイズ(cm)とUS/EUサイズの対応はモデルやデザインによって異なる場合がある、と公式に近い流通側でも注記されています。1枚の換算表を全モデルに当てはめないでください。
サイズ表記の「H」は0.5cm(ハーフサイズ)の意味です。ただし表記は統一されておらず、靴や箱では「1/2」「H」「h」と書かれることがあります。US9とUS9Hを見間違えると0.5cm、US表記の飛びを見落とすと1サイズ分ずれます。通販で買うときは、必ずcm表記で最終確認をしてください。
ハーフサイズが「H」「1/2」で書かれる理由
ハーフサイズの表記が揺れるのは、生産国や年式によって刻印の慣習が違うためです。同じコンバースでも「1/2」「H」「h」と表記されることがあり、フリマアプリの写真では判別が難しい場面が出てきます。
実害が出るのは中古で買うときです。出品者が「US9」と書いているが実物は「US9H」、あるいはその逆というケースがあります。0.5cm違えば、デカ履きの上げ幅が+1.0cmのつもりが+0.5cmになり、羽根が閉じきりません。
対策としては、出品写真でタグのcm表記を確認できる出品だけを買う、という単純なルールが効きます。cm表記が写っていない出品は、サイズが合わなかったときに返品交渉から始めることになります。
注意点は、タグ自体が擦れて読めなくなっている古い個体があることです。ヴィンテージ寄りの1足を狙う場合は、インソールの刻印やヒールラベルの情報も含めて判断材料を増やしてください。サイズ表記まわりの読み解きは、こちらの記事で詳しく整理しています。

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モデルが違えば、換算表も変わります
同じコンバースでも、ラインによってサイズの出方は変わります。JACK PURCELL CLのサイズ展開は4(23.0cm)〜11.5(30.0cm)で、US表記が主で書かれることが多いライン。ALL STAR US OXも22.0cm〜30.0cmの15サイズですが、U.S. ORIGINATOR仕様でトゥスプリング(つま先の反り)を低く抑えたクラシックシルエットのラストを使っています。
トゥスプリングが低いということは、同じ足長でも指先が当たるまでの余裕の出方が違うということです。デカ履きで同じ上げ幅を適用しても、モデルによってつま先の余りの見え方が変わります。
実際の選び方としては、まず基準にする1足を決め、そのモデルでの上げ幅を確定させてから他モデルに横展開するのが安全です。基準にしやすいのは、価格も入手性も現実的なALL STAR HIまたはALL STAR OXの6,490円のモデルです。
落とし穴は、基準を持たずに複数モデルを同時に通販で買ってしまうことです。返品の手間が増えるだけでなく、どのモデルのどの上げ幅が自分に合うのかという学習も進みません。1足ずつ確定させてください。
デカ履きが決まるモデル、崩れるモデル
ALL STAR HI/OX:基準にすべき1足
デカ履きを始めるなら、まずリニューアル後のALL STAR HIかALL STAR OXです。価格はどちらも6,490円(税込)で、アッパーはキャンバス、アウトソールはラバー、原産国はインドネシア。カラーはブラック、ホワイト、レッド、ネイビー、ナチュラルホワイト、ブラックモノクロームの6色展開です。
この1足を基準に薦める理由は、サイズ展開が22.0cm〜30.0cmと広く、上げ幅の実験がしやすいからです。加えてインソールが取り外し可能なので、上げすぎたときの調整代が残ります。価格的にも、上げ幅を試して失敗したときのダメージが小さい。
ハイカットとローカットの使い分けは明確です。ハイカットは足首まで面が続くので、上げ幅を大きくしても輪郭がぼやけません。ローカットは履き口から甲が見える分、+1.5cm以上にすると隙間が目立ちます。+1.5cm以上を狙うならハイカット、+1.0cmまでで収めるならローカットでも成立します。
デメリットは、キャンバスなので雨に弱いことです。デカ履きで紐を緩めに履いていると、履き口から水も入りやすくなります。防水スプレーを前提に考えてください。
上げ幅を試しながら基準を作るなら、インソールを外して調整できるこの定番から▼
| 項目 | ALL STAR HI | ALL STAR US OX | ALL STAR SK HI |
|---|---|---|---|
| 価格(税込) | 6,490円 | 9,350円 | 17,600円 |
| サイズ展開 | 22.0〜30.0cm | 22.0〜30.0cm | 23.0〜29.0cm |
| アッパー | キャンバス | ウォッシュドキャンバス | スエード |
| インソール | ウレタンフォーム(取り外し可) | 高密度ウレタンフォーム+ラバースポンジ | REACT SK カップインソール |
| デカ履き適性 | 基準にしやすい | つま先が間延びしにくい | ホールド重視なら有力 |
ALL STAR US OX:つま先が間延びしにくい選択肢
もう少し予算を出せるなら、ALL STAR US OXが9,350円(税込)で選べます。U.S. ORIGINATOR仕様で、ウォッシュドキャンバスのアッパー、光沢仕上げのオフホワイトのテープ、コットンのヒールコードといったヴィンテージ寄りのディテールが入ります。2023年2月10日発売のモデルです。
デカ履きの観点で効くのは、トゥスプリングを低く抑えたクラシックシルエットのラストです。つま先の反りが小さいと、サイズを上げても先端が上を向いて間延びして見える現象が起きにくくなります。同じ+1.0cmでも、輪郭が締まって見える。
インソールは高密度ウレタンフォームとラバースポンジの組み合わせで、クッション性を確保しています。上げ幅を大きく取ったときに足が前に滑る問題は残るので、この点は他モデルと同じく紐と靴下で対処します。
注意点は、ローカットである以上、上げ幅を大きくすると甲の隙間が見えることです。ヴィンテージ寄りのディテールが効くのは適度な上げ幅までで、+2cmまで行くとディテールよりも大きさが先に目立ちます。+1.0cm前後で使うモデル、と割り切るのが賢い使い方です。
ALL STAR SK HI:ホールドで支えるデカ履き
「上げ幅を大きく取りたいが、足の中で動くのが嫌だ」という人に検討してほしいのがALL STAR SK HIです。17,600円(税込)、サイズ展開は23.0cm〜29.0cm、アッパーはスエード。スケートボード専用の高機能カップインソール「REACT SK」を搭載し、衝撃吸収・耐久性・ホールドを確保しています。
カップインソールは足を上から乗せるのではなく、縁で受け止める形状です。これが上げ幅を取ったときの左右のブレを抑えます。トリックで衝撃を受けやすい箇所が補強されているので、キャンバスモデルより型崩れにも強い。ホワイトの替え紐が付属するのも、紐を締める前提のデカ履きとは相性が良い点です。
使いどころは、長い距離を歩く日や、立ちっぱなしの時間が長い日です。素のキャンバスモデルにインソールを買い足すことを考えると、価格差は縮まります。カラーはブラック/ホワイトの1色展開なので、色で遊びたい人には向きません。
デメリットはスエードであることです。キャンバスより雨と汚れに弱く、専用のケアが必要になります。デカ履きで裾を引きずりがちなスタイルだと、つま先まわりが早く傷みます。
ジャックパーセルとスリッポンは、上げ幅を抑えてください
ジャックパーセルでデカ履きをやりたい、という相談も受けますが、このラインは上げ幅を控えめにするのが無難です。JACK PURCELL CLは13,200円(税込)、サイズは4(23.0cm)〜11.5(30.0cm)、カラーはホワイト、ブラック、グリーン、パープルの4色。トウ先端の「スマイル」とヒールラベルの「ヒゲ」がアイコンです。
理由は、この靴の見どころが低くて水平なシルエットにあるからです。サイズを上げると、スマイルのラインが前に伸びて間延びします。オールスターの持ち味である「ボリュームで押す」方向とは、そもそも設計思想が違います。アーカイブ復刻のJACK PURCELL 1935は16,500円(税込)で、こちらも同じ考え方です。
絶対に避けたいのがJACK PURCELL CL SLIP-ON(12,100円・税込)でのデカ履きです。紐がないため、上げた分を締めて固定する手段がありません。サイズを上げれば、そのまま脱げる靴になります。スリッポンはジャストサイズで履く靴だと考えてください。
使い分けとしては、きれいめの服に合わせるならジャックパーセルをジャストで、ボリュームを出したい日にオールスターを上げ幅つきで、という二刀流が現実的です。オールスターの現行ラインナップには7,700円のALL STAR CL OXもあり、価格帯の選択肢は広めに用意されています。
大きめで履くと足に何が起きるのか
靴擦れは「きつい靴」より「ゆるい靴」で起きます
デカ履きの最大の誤解が、「大きいほうが足に優しい」というものです。実際には、きつい靴よりサイズが大きすぎるゆるい靴のほうが靴擦れの原因として多い、と足まわりの専門情報では説明されています。理由は摩擦で、靴の中で足が動く距離が長いほど、同じ場所が繰り返しこすられます。
特に出やすいのが踵です。かかとの靴擦れは小さい靴より大きすぎる・ゆるすぎる靴で起こりやすいとされます。歩くたびに踵が上下し、履き口の縁がアキレス腱側を擦る。デカ履きで一番先に痛くなるのがここです。
対策は上げ幅を減らすことだけではありません。踵側の紐を先に締め切り、足を後ろに寄せた状態でつま先側の余裕を残す通し方にすると、同じサイズでも踵の上下は減ります。紐を全体的に均等に締めるのではなく、後ろを強く、前を緩く、という配分です。
それでも痛みが続く、皮膚のトラブルが治らないという場合は、履き方の工夫で押し切らず専門医に相談してください。靴の調整でどうにかする話と、体のケアの話は分けたほうが安全です。
前すべりが、つま先に効いてきます
足が固定されないと、本来入ってはいけないつま先側に足がスライドします。デカ履きは足長に余裕を作る履き方なので、この前すべりが構造的に起きやすい。歩くたびに指先が靴の先端に向かって滑り、下り坂や階段で一気に加速します。
症状として出るのは、親指や人差し指の爪まわりの痛みです。上げ幅が+1.5cm以上で、下り坂の多い通勤路や駅の階段を毎日使う人は、1週間ほどで自覚するケースがあります。ここでよくあるのが「大きいサイズなのに指が痛い」という混乱で、原因は靴が小さいことではなく、足が前に移動して先端に届いていることです。
対策は、つま先ではなく甲と踵で足を止めることです。紐を甲の位置でしっかり締め、必要ならインソールで底上げして甲の当たりを強くします。つま先にクッションを詰める方法もありますが、これは足長そのものを縮める対処なので、デカ履きの見た目とは両立しにくい。
注意点として、前すべりは平地の短距離ではほとんど自覚できません。試着時に店内を数歩歩いただけでは判定できないので、下り坂や階段での挙動は買ったあとに自宅周辺で確認し、必要なら早めに調整を足してください。
ハイカットの履き口が開くと、足首が擦れます
ハイカットでデカ履きをするとき、見落とされがちなのが履き口の開きです。サイズを上げるとアンクルパッチ周辺の周長も大きくなるため、足首と生地の間に隙間ができます。この隙間があると、歩行のたびに生地の縁が足首の内側や外側に当たります。
キャンバスの縁は硬くはありませんが、素足に近い状態で長時間履くと確実に赤くなります。デカ履きで裾の短いパンツを合わせる場合、足首が露出しているぶん影響が直撃します。
解決は靴下です。デカ履きをするなら、くるぶしが隠れる丈の靴下を選んでください。丈で守りつつ、厚みで容積も埋められるので、一石二鳥の調整になります。ローカットなら短い靴下でも問題は出にくいので、この点はハイカット固有の注意です。
もうひとつ、紐を一番上の穴まで通すかどうかで履き口の締まりが変わります。デカ履きの見た目としては上まで通さずに折り返すスタイルもありますが、足首の擦れが気になるなら上まで通して締めるほうが安定します。見た目と快適さの折り合いをつける場所です。
紐とインソールで「大きいのに歩ける」を作る
紐は締めるためにある。まず長さを合わせ直す
デカ履きの成否は紐で決まると言っても大げさではありません。サイズを上げると必要な紐の長さも変わり、純正の紐では締め切ったあとの余りが足りない、あるいは余りすぎて処理に困る、という状況が出ます。ここを放置すると、締めきらないまま履くことになります。
コンバース公式オンラインショップのシューレースは、94/102/106/108/114/117/120/122/132/135/137/145/150/152/160cmと細かく展開されています。標準のSHOE LACEは440円(税込)、ロウ引きのWAXED SHOE LACEは660円(税込)、撥水性のGORE SHOE LACEは770円(税込)、太幅のFAT SHOE LACEは880円(税込)です。
デカ履きに向くのは、締めた位置が緩みにくいロウ引きのWAXED SHOE LACEか、太くて締め上げたときに面で押さえられるFAT SHOE LACEです。標準の平紐は柔らかく、歩いているうちに少しずつ緩みます。上げ幅が大きいほど、この緩みが致命傷になります。
注意点は、長さを勘で買わないことです。いま履いている靴の紐を外して端から端まで実測し、上げ幅に応じて1段階長いものを選ぶのが確実です。長すぎる紐は締めた後に足首に巻けますが、短い紐はどうにもなりません。
インソールで、靴の中の容積を1段減らす
紐で甲を締めても踵が浮くなら、次はインソールです。上げ幅で増えた容積を下から埋めることで、足の位置が上がり、甲が紐に届くようになります。リニューアル後のALL STARは純正インソールが取り外せるので、この入れ替えがやりやすくなりました。
コンバース公式オンラインショップのカップインソールは、REACT2.0 CUP INSOLEが2,200円(税込)、REACT CUP INSOLE・REACT HD CUP INSOLE・OrthoLite CUP INSOLEがそれぞれ1,760円(税込)で、いずれも22.0cm〜30.0cmの15サイズ展開です。カップ形状は縁で足を受け止めるので、左右のブレも同時に抑えられます。
使い分けの目安としては、上げ幅+0.5〜1.0cmなら純正を抜いて1枚入れ替えるだけで足ります。+1.5cm以上なら、インソールに加えて靴下の厚みでもう1段埋める、という二段構えが必要です。インソールを2枚重ねる方法は、足が上がりすぎて履き口から抜けやすくなるので薦めません。
デメリットは、厚いインソールを入れると靴の中の容積が奪われる点です。靴の中の容積は決まっているので、入れすぎると今度は甲が当たって痛くなります。埋めるのは踵とアーチまわり、つま先の高さは残す、という配分を意識してください。
靴下の厚みは、0.5cm分の調整幅になります
意外と効くのが靴下です。薄手のスニーカーソックスから厚手のパイル地に替えるだけで、体感で0.5cmほどサイズを詰められます。インソールを買う前に、まずここを試すのがコストの面でも合理的です。
デカ履きと厚手の靴下は見た目の相性も良く、リブの入った靴下を履き口から覗かせるスタイルは、上げ幅で生まれた足首の隙間を視覚的に埋めてくれます。機能と見た目が同じ方向を向く、数少ないポイントです。
季節での使い分けが必要になるのは弱点です。冬に厚手の靴下前提で決めた上げ幅は、夏に薄手の靴下にすると緩くなります。年間を通して同じ1足でいくなら、夏の薄手を基準に上げ幅を決め、冬はインソールを1枚抜く、といった運用にすると破綻しません。
注意点は、厚手にしすぎると甲が持ち上がり、紐が締められなくなることです。羽根が閉じきらなくなったら厚みの入れすぎ。羽根が閉じるギリギリの厚みが正解、と覚えてください。
タンパッドは、甲を埋める最後の一手です
紐・インソール・靴下でも踵が浮く場合の最終手段がタンパッドです。タンパッドはシューズのタン(ベロ)の裏に貼り、甲側から足を押さえる補助道具で、薄いわりに効果が出やすいアイテムとして紹介されています。
効く理由は、押さえる方向が他の手段と違うからです。インソールは下から、紐は上から締める。タンパッドは甲の面で押さえるので、足が前に滑るのを直接止められます。前すべりが主症状のときに効きます。
使う順番は最後です。先にタンパッドを入れると、甲だけが窮屈で踵は浮いたまま、という中途半端な状態になりがちです。紐の通し方を見直し、インソールと靴下を調整して、それでも残る隙間に対して使ってください。
デメリットは、貼り付けタイプは剥がした跡が残ることと、キャンバスのタンは薄いので厚いパッドを貼ると甲の圧迫が強く出ることです。まず薄いものから試して、足りなければ足す。ここでも「入れすぎない」が原則になります。デカ履きで汚れやすくなった1足のケアについては、洗い方の記事も合わせてどうぞ。

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コンバースのデカ履きは「+幅」ではなく「+固定」で決まる
デカ履きは、大きいサイズを買った時点では完成しません。上げた分だけ靴の中に空いた容積を、紐で甲を締め、インソールで底上げし、靴下の厚みで最後の隙間を埋める。この3つがそろって初めて「大きいのに歩ける1足」になります。最初の一歩としておすすめしたいのは、いま履いているスニーカーを脱いで、かかとから一番長い指先までの実寸を測ることです。その数字に足幅の分岐(A〜Cなら+0.5cm、D〜EEなら+1cm)を当てはめれば、試着で確かめるべきサイズが1つに絞れます。あとは夕方の足で、紐を締めた状態で数歩歩いてみるだけです。基準にする1足としては、22.0cm〜30.0cmと展開が広く、インソールを外して調整できるALL STAR HIまたはALL STAR OX(各6,490円・税込)が扱いやすいところです。
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