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売り場で「生産終了」と書かれたPOPを見て、慌ててオールスターを2足カゴに入れた——そんな話がここ1年でずいぶん増えました。SNSでも「コンバースがなくなる」「今のうちに買っておけ」という投稿が拡散し、検索窓に「コンバース 生産終了」と打ち込む人が一気に増えています。
結論から言うと、コンバースというブランドが終わるわけではありません。終了したのは、1990年代のラスト(木型)で作られてきた旧仕様の定番オールスターです。2025年10月2日から約25年ぶりにリニューアルした新しいオールスターが発売され、旧仕様は役目を終えて入れ替わりました。つまり真相は「ブランドの終わり」ではなく「世代交代」です。
とはいえ、同じ時期にジャックパーセルの定番も姿を消し、U.S. ORIGINATORの表記も変わったため、混乱するのも無理はありません。この記事では、公式サイトとメーカーのリリースをもとに、何が本当に生産終了したのか/何が残っているのかを1つずつ切り分けます。そのうえで、新旧の違い、買い逃した人の代替候補、サイズ選びの変化までを、売り場で説明するのと同じ順番でお伝えします。
・「コンバース生産終了」の噂がどこから生まれ、実際には何が終わったのか
・新旧オールスターの違い(ラスト・インソール・重量・価格)を5項目で比較
・消えたモデルと残ったモデルの線引き、ジャックパーセルが店頭から減った理由
・旧モデルを買い逃した人が今選ぶべき現行ラインとサイズ選びの注意点
コンバース 生産終了の真相は「ブランド終了」ではなく25年ぶりの世代交代

まずは噂の全体像を押さえます。「生産終了」という言葉が指しているのは、コンバースというブランドでも、オールスターというモデルでもありません。特定の仕様・特定のカラー展開が廃番になった、という話です。
「生産終了」の4文字はどこから広まったのか
噂の発生源は、量販店の店頭表示とオンラインストアの在庫表記です。2025年に入ってから、定番カラーのオールスターに「生産終了」「廃番」と付いた表示が出るようになり、それを撮影した投稿がSNSで拡散しました。売り場の表示自体は間違っていません。実際に、旧仕様のキャンバス オールスターは廃番に伴って生産を終えています。
問題は、その4文字だけが独り歩きしたことです。小売の在庫管理では、仕様変更で品番が切り替わる場合も「生産終了」と表示されます。後継品が同じ棚に並ぶまでにタイムラグがあると、消費者からは「なくなった」ようにしか見えません。今回はまさにこのパターンで、旧品番の終了と新品番の投入の間に数か月の空白があり、その間に不安だけが広がりました。
注意したいのは、この空白期間に旧モデルの中古・デッドストックが高値で取引されたことです。プレミア価格で買ったものの、数か月後に新仕様が定価で並んで肩を落とす、という流れは実際に起きています。「生産終了」を見たら、まず何の品番が終わったのかを確認するのが先です。
廃番=その品番の取り扱いを終えること。生産終了=その品番の製造を終えること。どちらも「モデルの消滅」を意味しない。仕様変更で品番が変わるだけの切り替えでも、店頭では同じ表示になる。
公式が終わらせたのは旧仕様の定番カラー展開
終了したのは、1990年代のラストを使い続けてきたキャンバス オールスターの定番カラー展開です。ハイカット・ローカットともに、2025年のうちに段階的に生産を終え、2026年2月にかけて主要カラーが新仕様へ入れ替わりました。ベージュなどのカラーズ系も同じタイミングで終了しています。
なぜ旧仕様を残さなかったのか。理由は木型にあります。旧ラストは1990年代の設計で、ボールガース(足幅の一番広い部分)の位置が現在の日本人の足と合いにくくなっていました。オールスターが「幅が狭い」「小指が当たる」と言われがちだったのは、この設計が大きな要因です。新旧を併売すると売り場でサイズ選びの基準が二重になり、かえって失敗が増えます。そのため一本化したと考えるのが自然です。
ただし、旧仕様に慣れた人にとっては妥協点もあります。ソール色が青みがかった白から生成色に変わり、履き込んだときの経年変化の出方も変わりました。「あの色でないと困る」という人は、残念ながら新仕様では再現できません。ここは正直にお伝えしておきます。
終了の裏で新オールスターが2025年10月2日に発売されている
旧仕様が終わったのと同じ流れで、コンバースジャパンは約四半世紀ぶりのリニューアルモデルを2025年10月2日から順次発売しました。ハイカットの「ALL STAR HI」とローカットの「ALL STAR OX」の2タイプで、価格はいずれも6,490円(税込)。サイズは22.0〜28.0cm、29.0cm、30.0cmの15サイズ展開です。
発売当初はブラックとホワイトの2色のみでしたが、その後ネイビー、レッドが加わり、2026年2月27日からはナチュラルホワイトとブラックモノクロームが順次登場して、定番全6色がそろいました。「店頭で色が少ない」と感じた時期があったのは、この段階投入が理由です。
アッパーはキャンバス、アウトソールはラバー、原産国はインドネシア。この基本構成は旧仕様から変わっていません。見た目もほぼ同じで、並べても一般の人にはまず区別がつきません。変わったのは中身です。詳細はコンバース公式ニュースでも案内されています。
ブランドが続いている根拠は現行ラインナップにある
「本当に続いているのか」を確かめるいちばん早い方法は、公式オンラインショップのラインナップを見ることです。定番のALL STAR HI/OXに加え、リサイクル素材を使ったALL STAR Ⓡ HI(8,250円)、ヴィンテージ仕様のALL STAR US OX(9,350円)、日本製のCANVAS ALL STAR J HI(17,050円)と、価格帯ごとに複数のラインが並んでいます。
さらに上には、2008年にスタートした上位ライン「CONVERSE ADDICT」があり、CHUCK TAYLOR CANVAS OXが23,100円で展開されています。ブランドが縮小しているなら、こうした上位ラインから先に消えるのが普通です。実際は逆に、2026年春の新作も投入されています。
ひとつだけ気をつけたいのは、ラインが増えたぶん「同じオールスターに見えるのに価格が3倍違う」状況が生まれていることです。安いつもりで棚から取ったら日本製ラインだった、という取り違えは売り場でよく起きます。買う前にヒールラベルの表記と品番を見る癖をつけておくと安心です。
新旧オールスターは何がどう違う?履き心地を5項目で分解する
「見た目は同じ」と聞くと、変わったのは中身だけ?と思いますよね。実際そのとおりで、今回のリニューアルはラスト・ソール・インソール・重量・価格の5点に集中しています。順番に見ていきます。
ラストが1990年代仕様から現代の足に合わせた設計へ
いちばん大きな変更点がラスト(木型)です。新モデルは、ボールガースの位置を適切な場所へ変更し、甲部分にゆとりを設けた新基準の木型に切り替わりました。公式の表現でも「甲周りにゆとりを持たせた新基準モデル」とされています。
この変更が効くのは、足幅が広い人と甲が高い人です。従来のオールスターは、縦の長さでジャストサイズを選ぶと小指の付け根が当たったり、シューレースを締めたときに甲が圧迫されたりしがちでした。甲にゆとりが出たことで、その圧迫感は軽くなっています。
一方で、細身の足の人には注意点があります。ゆとりが増えた分、これまでジャストだった人は少し余りを感じる可能性があります。オールスターはインソールが取り外せる仕様なので、厚手のソックスや中敷きで調整するのが現実的な対処です。サイズ選びの前提そのものが変わったので、「前と同じ数字を買えばいい」とは限りません。
モデルごとのサイズ感の違いは、こちらの記事で細かく整理しています。

コンバースを買おうとして、サイズ表の前で手が止まった経験はありませんか。「普段は26.5cmだけど、コンバースは0.5cm上げたほうがいいと聞いた」「でも大きす…
インソールがラバースポンジからウレタンフォームへ
クッション性を担当する素材が変わりました。旧仕様のインソールはラバースポンジでしたが、新仕様ではオープンセル構造のウレタンフォームをインソール内部とヒール部分に新たに装着しています。オープンセルとは、発泡した気泡どうしがつながっている構造のことで、空気が抜けやすく通気性が確保されます。
体感として変わるのは、踵の着地です。オールスターはフラットなソールで衝撃を受け止める構造のため、アスファルトの上を長く歩くと踵に負担が集まりやすいモデルでした。ヒール内部にフォームが入ったことで、その一点集中が和らいでいます。通勤や1日歩き回る日に選びやすくなったのは実用面の進歩です。
ただし、ランニングシューズのような沈み込みを期待すると肩透かしになります。あくまでキャンバススニーカーの範囲での改善で、ソールの厚み自体は増えていません。長時間の立ち仕事でクッションを最優先したいなら、そもそも別カテゴリの靴を検討したほうが目的に合います。
片足約60gの軽量化がもたらす体感差
数字で見ていちばんわかりやすいのが重量です。公式は26.5cmでの従来品との比較で「片足マイナス約60g」としています。両足で120g前後。ペットボトルの飲み物を持って歩くかどうか、くらいの差です。
60gという数字は、スニーカーの世界では小さくありません。オールスターは足を振り出すたびにソール全体を持ち上げる構造なので、先端側が軽くなると歩行のリズムが変わります。階段を上るとき、あるいは長い距離を歩いた終盤に差が出ます。
加えて、アウトソールに屈曲溝と傾斜が設けられ、テープもシングルテープ構造になりました。これは足が曲がる位置でソールが素直に曲がるようにするための変更です。旧仕様の「板の上を歩いている」感覚が苦手だった人には、この屈曲性の改善のほうが軽量化より効くかもしれません。逆に、あの硬さが好きだった人にとっては物足りなく感じる部分でもあります。
価格は6,380円から6,490円へ
気になる価格は、旧仕様の6,380円から6,490円になりました。差額は110円です。ラストを引き直し、インソール素材を変え、ソール構造を作り直したリニューアルとしては、上げ幅を抑えた部類に入ります。開発担当者も、このコストパフォーマンスを維持することがいちばん苦労した点だと語っています。
実は、ここが今回いちばん見落とされているポイントです。「生産終了で値上げされる」と身構えた人が多かったのですが、蓋を開ければ110円。旧モデルをプレミア価格で確保した人の多くは、結果的に高い買い物になりました。廃番のニュースで焦って買うより、後継品の価格が出てから判断するほうが得をする——今回はその典型例です。
| 項目 | 旧仕様(生産終了) | 新仕様 ALL STAR HI/OX |
|---|---|---|
| ラスト | 1990年代のラスト | 甲周りにゆとりを持たせた新基準 |
| インソール素材 | ラバースポンジ | オープンセル構造のウレタンフォーム |
| 重量 | 基準 | 片足マイナス約60g(26.5cm比較) |
| ソール色 | 青みがかった白 | 生成色 |
| 価格(税込) | 6,380円 | 6,490円 |

消えたモデルと残ったモデルの線引きを正しく把握する

ここが混乱の中心です。「オールスターが終わった」という情報と「普通に売っている」という情報が同時に流れているのは、終わったラインと残ったラインが入り混じっているからです。1本ずつ切り分けます。
生産終了したのは旧仕様の定番カラー展開だけ
終了が確定しているのは、旧ラストで作られていたキャンバス オールスターのハイカット・ローカットと、そのカラーバリエーション群です。2025年から段階的に生産を終え、在庫限りの販売になりました。量販店で見かけた「生産終了」表示の大半は、この品番を指しています。
判別方法はシンプルで、ソールの色味とインソールを見ます。ソールが青みがかった白でインソールがラバースポンジなら旧仕様、ソールが生成色でオープンセル構造のウレタンフォームなら新仕様です。フリマアプリで旧仕様を探す人は、この2点を出品写真で確認してください。
気をつけたいのは、旧仕様の在庫がセール価格で残っている場合です。安く買えるのは魅力ですが、ラストが古いままなので、幅広・甲高の人は結局痛くて履かなくなる可能性があります。値段だけで飛びつかず、自分の足型に合うかを優先してください。
U.S. ORIGINATORはALL STAR USという名前で残った
2013年から続くヴィンテージ志向のライン「U.S. ORIGINATOR」も、名称の切り替えがあったため「終了した」と受け取られました。実際には、ALL STAR US OX/ALL STAR US HIとして展開が続いています。価格はローカットで9,350円、サイズは22.0〜30.0cmの15サイズ。原産国はインドネシアです。
仕様は、洗い加工を施したキャンバスアッパー、艶出し加工の生成りテープ、6ミリ幅のコットンシューレース、コットンのヒールコード、光沢のあるハトメ、そしてトウスプリングの低いクラシックなラスト。インソールには高密度ウレタンフォームとラバースポンジが使われています。デッドストックのような佇まいを狙ったラインで、定番とは狙いがはっきり違います。
選ぶときの注意点は、ラストがクラシック寄りである点です。新しい定番のような甲のゆとりはないので、幅広の人が定番と同じ感覚でサイズを選ぶと窮屈に感じることがあります。雰囲気を取るか、履き心地を取るかの判断になります。
リサイクル素材のALL STAR Ⓡは別ラインとして並走
もうひとつ紛らわしいのが「ALL STAR Ⓡ」です。これはリサイクルマテリアルを随所に使いながら、履き心地とクラシックな外観を洗練させた次世代モデルとして展開されているラインで、ハイカットは8,250円。サイズは22.0〜30.0cmです。
定番のリニューアルとは別の企画なので、「定番が生産終了して、こっちに置き換わった」わけではありません。素材の由来を重視する人向けの選択肢として並走している、と理解するのが正確です。
ただしカラーによっては早い段階で完売することがあり、公式オンラインショップでもサイズが欠けている状態を見かけます。狙っている色があるなら、在庫の動きを追っておくほうが確実です。
MADE IN JAPANラインは終わっていない
「日本製も終わるらしい」という噂も流れましたが、こちらも継続しています。2013年にスタートしたMADE IN JAPANラインは、公式オンラインショップの専用コレクションで現在も展開中です。CANVAS ALL STAR J HIが17,050円、CANVAS ALL STAR J OXが16,500円、レザーのLEATHER ALL STAR J HIが30,800円、スエードのSUEDE ALL STAR J OXが25,300円といった構成です。
製造は福岡県久留米市のムーンスターの工場。生ゴムに硫黄を加え、熱反応でソールとアッパーを接着するヴァルカナイズ製法で作られています。80年代のラストを採用し、国産キャンバス、コットン製シューレース、アルミハトメ、細かい気泡の発泡ラバーによるクッショニング構造といった仕様です。
日本製ラインは80年代のラストを採用しており、2025年にリニューアルした定番の新ラストとは別物です。定番で「甲にゆとりが出た」と感じた人が同じ数字で日本製を選ぶと、窮屈に感じることがあります。ライン間でサイズ感が揃っていない点は必ず頭に入れてください。
ジャックパーセルが店頭から減ったのはなぜ?
オールスターと並んで「生産終了」の話題になったのがジャックパーセルです。こちらは事情がやや違い、価格帯ごと組み替えられました。
定番ジャックパーセルからJACK PURCELL 1935へ
ジャックパーセルは2025年に誕生90周年を迎え、それを機に新しいフラッグシップモデル「JACK PURCELL 1935」が投入されました。シンプルでクリーンな見た目はそのままに、現代の都市生活に合わせたスペックへ組み替えたラインです。価格は16,500円で、素材違いのLEATHER JACK PURCELL 1935が20,900円、JACK PURCELL 1935 LOAFERが22,000円という構成になっています。
この切り替えの結果、これまで店頭に並んでいた定番のジャックパーセルは姿を消しました。「2年ほど前から店に置いていない」という売り場の証言が出回ったのも、この入れ替えの過程です。ブランド側から終了理由の説明は出ていないため、なぜこのタイミングだったのかは公表されていません。
不便な点も正直に書いておくと、フラッグシップ化によって入り口の価格が上がりました。オールスターと同じ予算感で店に行くと、届きません。ここは事前に把握しておきたい変化です。
13ミリのPUウェッジヒールが意味するもの
JACK PURCELL 1935の中身は、旧定番とは設計思想から違います。新開発のアナトミカルラストを採用し、高さ13ミリのPUウェッジヒールを内蔵。ファイバーシャンクで踏まずのアーチを支え、通気性のあるOrtholite®インソールを組み合わせています。ライニングはレザーです。
ウェッジヒールが入るということは、踵がわずかに持ち上がるということです。フラットなキャンバススニーカーで足裏が疲れやすかった人には、この構造が効きます。シャンクが入ることで土踏まずが落ち込みにくくなり、長時間立っていても形が崩れにくくなりました。
外観面では、緩いカーブを描いたサイドステッチ、4本ステッチ仕様のバックタブ、内外で長さの異なるトウガード、厚みのあるフリクションテープといったアーカイブ由来のディテールが入っています。素材アレンジのJACK PURCELL 1935 SUはイタリア製スエードを採用し、23,100円。スペックの詳細は公式のスペックページで確認できます。
価格帯を埋めるJACK PURCELL CLが2026年6月30日に登場
「1935は良さそうだけれど予算が合わない」という声に応える形で、2026年6月30日に「JACK PURCELL CL」が発売されました。価格は13,200円、スリッポンタイプのJACK PURCELL CL SLIP-ONが12,100円です。サイズは23.0〜28.0cm、29.0cm、30.0cm。
カラーはホワイトとブラックが定番で、グリーンとパープルが2026年秋冬のシーズナルカラーという扱いです。アッパーは洗い加工のキャンバス、艶出し加工を施したトウキャップとテープ、コットンシューレース、光沢のあるハトメ、低めのトウスプリングという構成で、インソールはクッション性のある高密度ウレタンフォームの踵部にPUウェッジを配置しています。
位置づけとしては「アーカイブの世界観はそのままに、日常における質と実用性を探求する新シリーズ」。つまり1935ほどの作り込みではないものの、旧定番より現代的なクッション設計になっています。旧定番の後継として最も近いのはこのCLです。
「安いジャックパーセルが欲しい」でやりがちな失敗
ここでよくある失敗を1つ。旧定番が消えたあと、「同じくらいの値段のジャックパーセルを」と探して、フリマアプリで年式不明の中古を買ってしまうケースです。原因は、現行ラインの価格が上がったことで、旧価格の記憶と現実の間にギャップが生まれた点にあります。
キャンバススニーカーはソールがゴム素材のため、保管状況によっては数年で加水分解が進み、履いた瞬間にソールが割れることがあります。箱に入れっぱなしで倉庫保管されていた個体ほどリスクが高く、見た目がきれいでも中身は別問題です。
対策はシンプルで、価格帯が近い現行モデルに置き換えて考えること。JACK PURCELL CLが13,200円、スリッポンが12,100円なので、年式のわからない中古に近い金額を払うくらいなら、現行の新品を選んだほうが計算が合います。どうしても旧定番の形が良い場合は、ソールの側面に細かいヒビがないかを出品写真で必ず確認してください。
| モデル名 | JACK PURCELL 1935 |
| ラスト | 新開発のアナトミカルラスト |
| ヒール | 高さ13ミリのPUウェッジヒール |
| インソール | Ortholite®インソール(通気性) |
| 価格(税込) | 16,500円 |
日本のコンバースだけが独自に動く理由は商標にある
「アメリカでは普通に売っているのに、なぜ日本だけ生産終了なのか」。この疑問に答えるには、日本のコンバースが置かれている特殊な立場を知る必要があります。
商標権は伊藤忠商事、米国はナイキという二重構造
日本国内の「コンバース」の商標権は伊藤忠商事が所有しています。一方、米国の商標はナイキ子会社のConverse Inc.が保有しており、両社に資本関係もコンバース商品に関する提携関係もありません。同じ名前とロゴを使いながら、まったく別の会社が運営しているということです。
経緯はこうです。2001年に伊藤忠商事が経営破綻した米コンバース社へ出資し、2002年4月にコンバースジャパンを設立。ところが2003年7月に米コンバースがナイキに買収され、資本関係が切れました。以降、日本のコンバースは独自に企画・生産・販売を行っています。
この構造がわかると、今回の話も腑に落ちます。オールスターのリニューアルは、日本人の足に合わせて日本側が独自に判断したもの。米国のチャックテイラーとはまったく別の商品なので、向こうのラインナップを見ても答えは出ません。
CT70が日本の店頭に並ばない理由
この商標の話が実生活に出てくるのが、いわゆるCT70(米国企画のチャックテイラー)です。海外で人気の高いモデルですが、日本の店頭ではまず見かけません。理由は在庫がないからではなく、業として日本へ輸入・販売すると伊藤忠商事の商標権を侵害することになるためです。
さらに2022年10月施行の商標法改正により、業者を介した個人輸入も商標権侵害とされる扱いになりました。海外通販で取り寄せようとしても、配送業者側が日本向けの取り扱いを断るケースが増えています。「日本でCT70が買えない」と言われるのは、こうした法的な背景があるからです。
誤解されがちですが、これは偽物かどうかの話ではありません。米国では正規品でも、日本の商標法の枠組みでは別の扱いになる、という制度の問題です。海外旅行先で見かけて気に入っても、持ち込みには制約があると理解しておくのが安全です。
日本独自ラインが次々と生まれる仕組み
商標が独立していることには利点もあります。日本側が自由に企画できるため、MADE IN JAPANライン、U.S. ORIGINATOR、ALL STAR Ⓡ、CONVERSE ADDICTといった独自ラインが並行して存在します。他国では買えない構成です。
とくにCONVERSE ADDICTは、2008年にスタートした上位ラインで、ヘリテージモデルをベースにヴィブラムソールとカップインソールを組み合わせた作りです。CHUCK TAYLOR CANVAS OXが23,100円、素材違いのCHUCK TAYLOR MATERIAL OXが24,200円、ONE STAR LOAFERが33,000円という価格帯で、セレクトショップと公式オンラインショップで展開されています。
裏を返せば、ラインが多いぶん「どれが定番なのか」がわかりにくくなっているのも事実です。同じ棚に6,490円と23,100円のオールスターが並ぶ状況では、価格差の理由を知らないと選べません。次の章で用途別の選び方を整理します。
旧モデルを買い逃した人が今選ぶべき現行ライン
「結局どれを買えばいいのか」に答えます。用途と予算で切り分けると、迷いはかなり減ります。
履き心地を優先するなら新しい定番オールスター
普段履きとして毎日使うなら、リニューアルした定番のALL STAR HI/OX(6,490円)が第一候補です。甲にゆとりのある新ラスト、オープンセル構造のウレタンフォーム、片足約60gの軽量化と、旧仕様で不満が出やすかった部分がまとめて改善されています。
とくに向いているのは、通勤や買い物で1日中歩く人、これまでオールスターで足が痛くなった経験がある人です。フラットなソールで足裏が疲れやすかった問題は、ヒール内部のフォームで軽減されています。インソールが取り外せるので、市販の中敷きで自分好みに調整できるのも実用的です。
妥協点は、あくまでキャンバススニーカーの範囲での改善であること。雨に弱く、ソールのグリップも濡れた路面では頼りになりません。雨の日用には別の靴を用意する前提で考えてください。
甲にゆとりのある新ラストと約60gの軽量化で毎日歩く人に向く、刷新後の定番はこちら▼
雰囲気を優先するならALL STAR US
「新しいのは履きやすいけれど、あの色味と佇まいが好きだった」という人には、ALL STAR US OX(9,350円)が近い答えになります。洗い加工のキャンバス、艶出し加工の生成りテープ、光沢のあるハトメ、トウスプリングの低いクラシックラストと、ヴィンテージ感を狙った仕様がそろっています。
デニムやワークパンツと合わせたときの馴染みは、定番より一段上です。デッドストックのような雰囲気が出るので、古着中心のスタイルとは相性が良いラインです。定番との価格差は、洗い加工や艶出し加工といった仕上げの手間に使われていると考えれば納得できます。
注意点は、ラストがクラシック寄りである点です。新しい定番の甲のゆとりを期待して同じサイズを選ぶと、窮屈に感じることがあります。幅広の人は0.5cm上げも視野に入れて、実際に足を入れてから決めるのが安全です。
長く履くつもりなら日本製のMADE IN JAPAN
「1足を長く」という考え方なら、CANVAS ALL STAR J HI(17,050円)やCANVAS ALL STAR J OX(16,500円)が選択肢に入ります。福岡県久留米市のムーンスターの工場で、生ゴムに硫黄を加えて熱反応でソールとアッパーを接着するヴァルカナイズ製法で作られたラインです。
この製法はソールとアッパーの一体感が高く、屈曲を繰り返しても剥がれにくいのが特長です。国産キャンバス、コットン製シューレース、アルミハトメといった素材の選び方も、履き込むほど風合いが出る方向にそろえられています。レザーのLEATHER ALL STAR J HIは30,800円、スエードのSUEDE ALL STAR J HIは29,700円です。
妥協点は価格とサイズ感の2つ。定番の2倍以上の価格になるうえ、80年代のラストなので新しい定番より細身です。「日本製だから履きやすい」と考えて数字だけで選ぶと外します。足入れの確認は必須です。
作りの違いを楽しみたいならCONVERSE ADDICT
予算に余裕があり、スニーカーの構造そのものに投資したい人にはCONVERSE ADDICTです。CHUCK TAYLOR CANVAS OXが23,100円、CHUCK TAYLOR MATERIAL OXが24,200円。ヴィブラムソールとカップインソールを組み合わせた作りで、定番とは歩行時の安定感が別物です。
ヴィブラムソールは登山靴などにも使われるソールメーカーの製品で、摩耗とグリップに強いのが持ち味です。定番のオールスターがすり減りやすいと感じていた人には、この差が価格に見合う部分になります。ONE STAR LOAFERのようなローファータイプも33,000円で展開されています。
一方で、取り扱いはセレクトショップと公式オンラインショップが中心なので、気軽に試し履きできる場所は限られます。サイズ感の確認がしにくい点は先に知っておいてください。
| こんな人 | おすすめライン | 価格(税込) |
|---|---|---|
| 毎日履く・歩く距離が長い | ALL STAR HI/OX(新仕様) | 6,490円 |
| 古着・ヴィンテージ寄りの服装 | ALL STAR US OX | 9,350円 |
| 1足を長く育てたい | CANVAS ALL STAR J HI(日本製) | 17,050円 |
| きれいめ・クリーンな足元 | JACK PURCELL 1935 | 16,500円 |
| 構造と耐久性に投資したい | CONVERSE ADDICT CHUCK TAYLOR CANVAS OX | 23,100円 |
※価格は各ラインの公式オンラインショップ表示をくつのトリセツで横並びに整理したものです。
新しいオールスターのサイズ選びと、長く履くための手入れ
最後に、実際に買うときの話をします。ラストが変わった以上、これまでの選び方をそのまま持ち込むと失敗します。
甲にゆとりが出た分、サイズ選びの前提が変わった
新しい定番は、ボールガースの位置を見直し、甲部分にゆとりを設けた木型になりました。これまで幅で悩んで0.5cm〜1cm上げていた人は、その上げ幅が不要になる可能性があります。逆に、細身の足で以前ちょうど良かった人は、少し緩く感じることがあります。
判断の目安は、シューレースを普段どおり締めたときに甲が浮くかどうかです。浮くようなら0.5cm下げる、締めても小指が当たるなら上げる、という順番で試すと決めやすくなります。サイズ展開は22.0〜28.0cm、29.0cm、30.0cmと幅があるので、選択肢は確保されています。
気をつけたいのは、ネット通販で旧仕様のレビューを参考にしてしまうことです。「オールスターは0.5cm上げが基本」という定説は旧ラスト前提の話で、新仕様にそのまま当てはまるとは限りません。可能なら店頭で足入れしてから型番を控え、通販で色違いを買うのが確実な進め方です。
US表記とcm表記の読み替えでつまずかない
コンバースはUS表記とcm表記が併記されており、店頭のタグとオンラインの表記で見え方が違います。オンラインでは「3(22.0cm)」のようにUS表記とcm表記が併記される形で、15サイズが並びます。ここを読み違えると、注文段階で1サイズずれます。
特に注意が必要なのは、ハーフサイズの刻み方です。US表記の0.5刻みとcm表記の0.5cm刻みは必ずしも一対一で対応しません。並行して見るときは、必ずcm表記のほうを基準にしてください。
サイズ表記の読み方は別記事で詳しく整理しています。US表記で混乱しやすいポイントをまとめてあります。

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買った直後にやっておくと寿命が変わること
キャンバススニーカーは、履き始める前のひと手間で汚れの入り方が変わります。まず防水スプレーです。フッ素系のものを、20cm前後離して全体に均一に吹き、乾かしてからもう一度重ねます。キャンバスは繊維の隙間に汚れが入り込むと落ちにくいため、最初にコーティングしておくのが効きます。
次にシューレースです。新品のうちに一度外して、通し方を自分の足に合わせて調整しておくと、甲の当たり方が変わります。新しい定番は甲にゆとりがあるぶん、締め方の自由度も上がりました。アンダーラップにすると締め付けが穏やかになり、甲高の人でも当たりにくくなります。
そして保管。履いた日はインソールを外して陰干しし、湿気を抜いてから収納します。取り外せる仕様になったのは新仕様の利点なので、使わない手はありません。汚れた場合の洗い方は、生地を傷めない手順があります。

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やりがちな失敗は「廃番の噂で慌てて買う」こと
今回いちばん多かった失敗が、生産終了の情報を見て在庫を確保し、サイズを確認せずに複数足まとめて注文してしまうケースです。原因は「もう手に入らない」という焦りで、判断の順番が入れ替わってしまうことにあります。
結果として起きたのは、旧ラストのまま2足買ったものの、幅が合わずに1足も履かずに終わる、あるいは新仕様が定価6,490円で並んだあとに、プレミア価格で買った旧仕様を見て後悔する、という状況です。差額110円のリニューアルだったことを考えると、待ったほうが有利な場面でした。
対策は3つです。ひとつ、「生産終了」の表示を見たら品番と後継の有無を確認する。ふたつ、後継が出るまでは1足だけにする。みっつ、どうしても旧仕様が欲しいなら、サイズを実際に確認できる店舗で買う。廃番情報は判断材料であって、購入命令ではありません。
まとめ
いちばんの落とし穴は、廃番の4文字に反応して判断を急ぐことでした。今回のリニューアルは、旧仕様から110円の差で木型・インソール・アウトソールが作り直された内容です。まずやるべきことは、手持ちのオールスターのソール色とインソールを見て、自分のものが旧仕様か新仕様かを確かめること。そのうえで店頭に足を運び、新しい木型で自分のサイズがどう変わるかを1回だけ確認すれば、次の1足で迷わなくなります。ジャックパーセルを探していた人は、JACK PURCELL CLとJACK PURCELL 1935の価格差が何に使われているかを、この記事のスペックで見比べてから決めてください。
※価格・サイズ展開・カラー展開は変更されることがあります。購入前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

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